第２９回全十勝写真公募展（ＮＰＯ十勝文化会議、十勝毎日新聞社、帯広シティーケーブル主催）の最優秀賞に、帯広市の長内三代子さん（７７）の「２７人の小人」が選ばれた。初の最高賞に長内さんは、「久々に出品した作品で賞をいただき驚いている。今後は身近な花なども撮影していきたい」と喜んでいる。

　道内の自然や生活風景などを撮影した写真を公募し、５８人から３１９点の応募があった。作品審査は１５日に十勝毎日新聞社で行われ、関口哲也審査委員長ら４人が参加。最優秀賞の他、優秀賞３点、特別賞３点など５２点の入賞作品を選んだ。

　長内さんは、十勝の美しい風景に引かれ、約１２年前から帯広市内の写真教室などで関口さんの指導を受けてきた。現在は総合美術十勝協会などに所属。風景写真を中心に撮影している。

　作品は、足寄町の道路沿いで出合った豆のニオ積みのある風景。立ち入れない畑を遠目から撮影し、林立するニオを小人に例えて表現した。長内さんは、「望遠レンズも持っておらず、撮影はこれが精いっぱい。たった１枚ピントがあった作品だった」と振り返る。関口委員長は、「造形の目を持って捉えた正確さやバランスがすばらしい」と評価した。

　今年はサイロやばんえい競馬の様子を生き生きと表現した作品もあり、関口委員長は「十勝の農業、産業、催しなどを題材に、優れた作品が多かった」と総評。入賞作品は２２日～６月３日に勝毎サロン（藤丸７階）で展示する。今月２４日午前１１時からは表彰式を行う。（山岡瑠美子）

　最優秀賞以外の入賞者は次の通り。（敬称略）

　▽優秀賞＝島本裕子、高橋功一（以上帯広）西嶋勝江（鹿追）▽特別賞＝佐藤有芳、田島英志枝、穂積覚（以上帯広）▽入選＝井関一、笠井清春（以上鹿追）、岩田晋司、小倉紀美、秦学、森末光彦（以上帯広）海野春男（幕別）佐藤敏美、田中弘幸（以上音更）中村政治（清水）▽準入選＝清水忠良、谷口廣明、山西信一（以上音更）五十嵐幸夫（広尾）今木宏子、本田和則、目黒智之（以上帯広）片桐幸一、小林みどり、佐藤豊、渋川厳、羽根田広幸（以上鹿追）荘司裕、鈴木政一（以上幕別）野澤美保（芽室）▽佳作＝伊藤国衛、坂根春香、高橋勝昭、森田雄次、長内三代子（以上帯広）鈴木勝義、中村正廣（以上芽室）福田信幸、前田久直、松原孝明、松田邦男、佐藤康男、飛田信明、吉田昇（以上音更）▽学生の部・最優秀賞＝村上萌菜（帯柏葉高）▽同・優秀賞＝青木さくら、早坂岬、林恭弘（帯工高）保前俊稀、笠原涼（帯柏葉高）