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蛯子善悦の作と判明 神田日勝館に寄贈 帯広

  • 2017年11月15日 13時41分

 帯広市内の元会社役員太田敏雄さん(87)が所有する絵画が、函館ゆかりの画家でパリの美術界でも活躍した蛯子善悦(1932~93年)の作品と分かり、鹿追町の神田日勝記念美術館に14日までに寄贈された。神田日勝(1937~70年)とは全道展の所属時期が重なるなど縁があり、同館は「今後、所蔵品展の場などで展示の機会を設けたい」としている。

神田日勝記念美術館に寄贈した蛯子善悦の「ヴェネチア」と太田さん夫妻


 この作品は1977年作の油彩「ヴェネチア」(F8号)。画面右下とキャンバス裏に、それぞれ蛯子のサインと画題などが記されている。蛯子が家族と共に渡仏して3年後の作で、水の都・ベネチアの海辺とみられる情景が淡く灰色を帯びた色調と独特のタッチで描かれている。

 太田さんは釧路市出身で札幌に本社がある商社に長く勤務。98年に退職し、次女夫婦がいる帯広に移り住んだ。絵は当初、函館の老舗化粧品問屋の経営者が所有。その後、太田さんがいた商社の社長に贈られ、同年に社長が亡くなった際、遺品として太田さんが譲り受けたという。

 「価値も分からないまま家の中に飾っていた」(太田さん)が、今夏、市内の別な場所に夫婦で転居するに当たり、同じ町内会で顔見知りだった画家の齊藤隆博さん(75)=全道展会員=に「一度、絵を見てもらえないか」と相談。齊藤さんから蛯子の絵であることを聞かされた。

 「見れば見るほど隙のない作品。色合いやタッチなど蛯子さんの作風をよく示している」と齊藤さん。粗末にはできないとして太田さんは、齊藤さんの紹介で神田日勝記念美術館に寄贈を申し出て同館の受贈が決まった。

 同館の小林潤館長は「日勝と全道展で同じ頃に所属するなど、縁のある方の作品。ありがたくお受けしたい」と話す。

 太田さんは「立派な作品と聞いて管理する責任の重さを感じていた。受けていただき、ほっとしている」とし、妻の多嘉子さん(88)とともに感謝している。(金谷信)

<蛯子善悦(えびこ・ぜんえつ)>
 稚内市生まれ。終戦とともに函館に移住。1965年東京に転居後、72年単身パリへ渡り、2年後に家族と共に改めて渡仏した。国画会、サロン・ドートンヌ各会員。全道展には18歳で入選し、以後出品を続けた。

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