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十勝毎日新聞社ニュース

放牧養豚 博士が挑む 規格外作物で飼育 幕別

  • 2017年5月18日 14時02分

 元北海道大学教授で畜産を研究していた秦寛さん(65)が、町忠類明和の「遊牧舎 秦牧場」で放牧養豚に取り組んでいる。約50頭を飼い、ユリ根やナガイモ、チーズなど農畜産の規格外品や副産物を使って飼養。「豚本来の暮らしを」と自身の理論を実践に移し、「遊ぶた」と名付けて肉や加工品を販売している。

忠類で放牧養豚に取り組む秦さん(右)と中地さん

 農学博士の秦さんは東京出身。北大北方生物圏フィールド科学センター教授、静内研究牧場長を務め、放牧や飼料、環境、短角牛の導入などを長年研究した。

 「動物と自然に暮らす牧場をつくりたい」と考えていた秦さんは、十勝で土地を探し、2014年に忠類の酪農家の離農跡に移住した。研究者で現場の仕事の経験が少なく、当初は苦労したが、現在は農機も自ら乗りこなして農作業に励んでいる。

 通常の養豚は畜舎内で飼うが、秦さんは放牧を採用。「豚は本来は人なつこい動物」と、自ら豚と触れ合い、“遊ぶ”ことを大切にする。

 飼料はJAなどからユリ根やナガイモ、小麦、大豆、ジャガイモの規格外品を安く仕入れ、町内で製造されるチーズの副産物(ホエー)も使う。

 多くの輸入穀物が家畜用に使われる現状を、課題と捉えていた秦さん。「人が利用できない資源を活用できるのが豚の能力」と、生後3カ月以降は一切、一般的に使われる配合飼料を与えていない。

 通常は生後6カ月ほどで出荷されるが、配合飼料を使わず1年以上ゆっくり肥育するため、成熟した臭みのない肉になるという。

 牧場の場所に十勝を選んだのは、餌となる副産物が豊富にあり、放牧地を確保できるため。設立から3年を経て徐々に方向性が見え始め、肉は首都圏の飲食店を中心に出荷するほか、道の駅・忠類でも扱う。

 牧場は会社化し、日高で馬の牧場を営んでいた統括部長の中地由起子さん(52)が首都圏での営業、牧場運営を支える。

 ゴールデンウイークには道の駅・忠類で行われた地域のイベントにも初出店し、秦さん自ら鉄板で豚肉を料理した。現在は牧場内で母親と暮らし、「地域の人と協力し、忠類らしい特産をつくっていきたい」と地域に溶け込む。

 北大の静内研究牧場では、全学部の1年生を対象に滞在型の農業体験授業を担当した経験も。牧場でも防疫の課題をクリアしながら、自宅に設けた専用の部屋でファーム・インに取り組みたいと考えている。

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