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浦幌沖にアホウドリ 十勝で成鳥初確認

  • 2017年5月10日 13時47分

十勝沖で確認されたアホウドリの成鳥(千嶋さん提供)

 国の特別天然記念物で環境省の絶滅危惧II類に指定されているアホウドリの成鳥が6日、浦幌町厚内漁港約30キロ沖合の海上で確認された。2010年に始まった関係者による十勝沖での調査開始以来、成鳥が確認されたのは初めて。

 道東鳥類研究所(池田)の千嶋淳代表(41)が、チャーターした大津漁協の第23白鴎丸(栗山勝巳船長)船上から、海上を飛ぶ成鳥1羽を確認した。

 初の確認に、千嶋さんは「保護活動が実り、数が増加しているため」と分析している。

 アホウドリは翼を広げると2メートル以上にもなる大型の海鳥。調査では11~15年に6羽を確認しているが、いずれも幼鳥から亜成鳥だった。道内でも戦後からは、幼・成鳥合わせてほとんど確認されていない。

 6日は船上から双眼鏡で確認。数十メートルまで近づいての撮影にも成功した。

 千嶋さんは「十勝で成鳥を見ることが夢だった。繁殖地で保護活動をしている友人がいるので、感動もひとしおだった」と振り返る。

 十勝沖の海鳥調査は10年に、漂着アザラシの会や浦幌野鳥倶楽部、日本野鳥の会十勝支部などのメンバーが開始。

 現在は道東鳥類研究所が中心に行っている。これまで72回にわたって、鳥類100種類以上と海獣類8種類を確認している。

 今回確認された個体は、繁殖後にベーリング海へ北上する途中に道東太平洋を通過したとみられる。夏場の北太平洋はプランクトンが多く発生して餌となる魚類が豊富なため、鳥類も集まるという。

 千嶋さんは「道東太平洋は南半球と北半球の鳥が混在する『海鳥の交差点』。十勝の海が豊かな証拠でもある」とする。

 アホウドリの現状について千嶋さんは「噴火の可能性がある鳥島と尖閣諸島では絶滅の危機を脱したとはいえない」と指摘する。今後の調査については「海鳥は寿命が長い。10年単位で観察することで、海水温の上昇など地球的に起こっている変化と結び付けられれば」と話している。(塩原真)

<アホウドリ>
 20世紀初頭は北西大西洋に600万羽が生息していたが、乱獲の影響で一時、絶滅が宣言された。その後、伊豆諸島の鳥島(東京)で10羽ほど確認され、保護活動により現在は3500羽以上に回復している。今でも集団繁殖地は世界で鳥島と尖閣諸島に限定されている。2008~12年には小笠原諸島の聟島(むこじま、東京)に移送するプロジェクトが山階鳥類研究所(千葉)などにより進められた。

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