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TPP 4氏が意見陳述

  • 2016年11月19日 13時07分

 環太平洋連携協定(TPP)の承認案と関連法案を審議する参院特別委員会の地方公聴会が17日、帯広市内で開かれた。同市内で畜産農家を営み十勝家畜人工授精所代表を務める吉川広司氏、アミノアップ化学(札幌)の小砂憲一会長、全十勝地区農民連盟委員長で畑作農家の西原正行氏(上士幌)、北大大学院農学研究院の東山寛准教授の4人が意見陳述した。陳述内容を紹介する。

地方公聴会で公述人として意見を述べた吉川、小砂、西原、東山の4氏(右から)

和牛品質アピールを 吉川氏
 和牛は品質をアピールすべき。安心安全でおいしい肉だと、国がどう担保するのか方策を検討すべき。国内では和牛の遺伝子を守るため個々の都道府県が改良を進めてきた。しかし国際競争を勝ち抜くためには、一本化して日本の遺伝子の質を高め、生産、販売し、海外にも出せる遺伝子をしっかり作ることが大事。

 米国の牛はホルモン剤を使っているが、そのチェックをどうするか。食の安全について日本はこうで、日本と同じものは買う。そうでないものは買えない対応をすべき。日本の食の安全、国民を守るためにどうあるべきか考え、そのための基本的な分析をしてほしい。日本には農産物、家畜に対して研究している学者や研究者が少ない。

 国際競争に勝ち抜かないといけない。どうしたらいいのか分析して、生産性を高めることを国がやるべき。

障壁撤廃で輸出促進 小砂氏
 北海道の農産物から機能性成分を取り出して製品化している。海外輸出の比率は現在は30%程度だが、近々50%に上げたい。各国で法律や特許、関税の問題が山積みで、対応に時間や費用がかかる。

 北海道にはバイオ産業の会社が161社あり、海外展開や現地法人、研究所を設けている。将来は基幹産業にして総売り上げは現在の640億円を1000億円にしたい。そのために国内需要だけでなく海外展開が必要。障壁を撤廃することで輸出がもっと促進され、北海道ブランドの評価が高まる。

 輸出は製品で出した方が利益率が高いが、例えば米国では原料で出す方が関税率は安い。製品で出したいので、その環境づくりをしてほしい。各国の輸出入や製品に対する法律がバラバラなのは輸出の障壁になっている。統一することで双方の貿易が活発になる。

農家の大多数が不安 西原氏
 農家の中にも輸出している人などいろいろな人がいるが、末端で話し合うとTPPについては大多数が不安を覚えている。特に重要5項目に関しては、除外や再協議が含まれた国会決議がされて、何とかなるのかなと胸をなで下ろしていた。ただ現実は全てが100%の回答ではなかった。小麦のマークアップが引き下げられ、牛肉は16年かけて関税を下げられる。関税の「一部撤廃」「削減」という言葉で、関税撤廃ではなかったという言葉に置き換わっていた。痛みを伴うことにつながっている。

 気象条件で思うようにいかないのが現実の農業。そこに少しでも不安を覚える言葉が出ると、いい機会なので離農しようということが現実に起きる。TPP発効で、メリットがあり頑張ろうという人はいるが、決してそういう人だけでないことを理解してほしい。

新政権の出方見極め 東山氏
 国会決議は重要5項目などの聖域の確保ができないと判断した場合は脱退も辞さないと明記したが、合意内容との整合性には大きな疑問符が付く。

 政府は農業の影響額を最大1516億円と試算した。国境措置の後退は、価格低下と国内保護の財源の喪失を同時にもたらす。TPP対策の焦点は財源の喪失と対策の充実が両立するのかどうか。現行制度の維持存続には深刻な懸念がある。国民への説明も必要だ。TPP対策を評価する材料が極めて不足している。

 米国のトランプ次期大統領はTPP離脱を表明すると明記している。もし日本との2国間協定を進める事態になれば、国会承認したTPPがスタートラインになり、その上でさらに譲歩の圧力がかかってしまうことが想定される。今はトランプ政権の出方を見極める時期で、国会承認を進めることは得策ではない。

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