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がんと私 命あるうちに がん経験など講演企画 帯広

  • 2016年5月26日 13時51分

 「十勝の人のため、がん患者として命あるうちに何かしたい」。希少がんの一種の後腹膜肉腫を患い、手術や再発などを繰り返す帯広市在住の平馬さとみ(本名・里美)さん(57)は、緩和ケアを受けるため帯広を離れるのを前に28日、自ら「がんの語り部」を務める講演会を市グリーンプラザで開く。DV(配偶者、恋人などからの暴力)体験やカウンセリングスキルを生かし、自助グループ支援に当たってきた人生の軌跡なども語る予定だ。

「苦しみと向き合い、分かち合うことで希望が生まれることを伝えたい」と原稿の準備を進める平馬さん

 平馬さんは札幌出身。10歳から18歳までを帯広で過ごした。札幌で自営業の男性と結婚、1男1女をもうけたが、夫の暴力で2004年、逃げるように帯広に戻った。札幌時代から学んだ親業や傾聴ボランティアなどのスキルを生かし、札幌で立ち上げた不登校の子どもを持つ親の会「かたくりの灯」の活動を十勝でも続けた。08年からは市内の福祉施設で介護職員として働いてきた。

 12年2月、腎臓に大きな肉腫が見つかり、8時間の手術で切除。その後、肺や乳房などに転移し、抗がん剤治療を試みて手術も繰り返した。「抗がん剤は使ってみないと効果は分からないという。医師からも再発すると言われ、限りある命を自覚した」。こうした経験から「がんと宣告された人の心のケア、特にグループカウンセリングの場が少ない」と、医師や看護師らも巻き込み、自身が通う市内病院のがんサロン立ち上げにも尽力した。

 かつて手術も受けたことがある道がんセンターで治療を受けようと、札幌への転居を決断、3月末で仕事も辞めた。勤務先の同僚から「送別会を」と言われた際に、自主講演を思い立った。講演のテーマは「がんと共に生きる」。午後7時半から開き、誰でも無料で入場できる。札幌のNPOが主催し、2月に帯広で開いたがんの語り手養成講座でまとめた原稿を参考にスライドも交えて話す。

 「苦難に私自身が向き合えたのは『受容』の心を持てたから。すべての人が自分らしく生きていくきっかけになれば」と平馬さん。2月の講座を主催し、今講演の資料作成などを支援したキャンサーサポート北海道(札幌)の大島寿美子理事長は「がんであると公表する患者が少ない中、自主講演の企画は道内で聞いたことがない。がん患者への偏見がなくなり、正しい知識を持つ機会になれば」と話している。

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