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十勝毎日新聞社ニュース

TPPと十勝 農業・暮らしどう変わる

  • 2015年11月16日 13時28分

 10月5日に大筋合意に達した日米豪など12カ国が参加する環太平洋連携協定(TPP)。世界の国内総生産(GDP)の約4割を占める巨大経済圏を形成することになるTPPで、十勝の農業、暮らしはいつ、どのように変わっていくのか。これまでに明らかになった合意文書の内容や各機関の影響見通しなどを基に、図解で示した。
(紙面制作・眞尾敦、古川雄介、山岸理義)

図解PDFダウンロードはこちら(約3MB)

小麦、牛肉 外国産と競争
 農産品では参加各国間の合意に基づいて関税が撤廃、削減される他、輸入枠が拡大される。十勝農業に関係の深い品目では、小麦や牛肉の(実質)関税削減の影響が大きそうだ。外国産の値下がりで競争が激化し、国産価格も下落。関税を財源とする生産者への支援も削られることになれば、十勝への大きな影響は避けられない。

 TPPに関する国会決議(2013年)では、小麦や牛肉・豚肉、米など「重要5項目」は「除外」または「再協議」とするよう求めていたが、関税削減などの対象となった。

 今後は国内農業へのTPP対策が注目される。牛肉・オレンジが自由化となったガット・ウルグアイ・ラウンド対策(1994~2001年度)は約6兆円をつぎ込んだが、公共事業や施設整備に多くが使われたことが批判の的となった。

 TPP対策では、政府が毎年予算措置している肉牛の赤字補填(ほてん)の財源を、法整備して恒久化することを検討。肉牛以外でも、天候や資材・飼料価格など外的要因に左右されやすい国内の食料生産基盤を、永続的に確保できるような所得補償の仕組みなどの対策が求められる。国内基盤を無視した輸出や6次産業化ばかりを推し進めれば、農業の崩壊は一層進むことになる。

 一方、税金をつぎ込むことに対し、国民の理解を得られる取り組みが産地には必要になる。一層の効率化やコスト削減、外国産と戦える品質向上、新品種開発、食育などの産地と消費地の交流など、やるべきことは多い。

食料品値下がり 家計に恩恵も
 消費では関税が下がることで、スーパーなど小売りや外食で輸入食料品の値段が安くなることが予想される。小麦の自給率は13%程度で、最も消費の多いパンやラーメン用に使われる強力系の小麦の自給率は1桁台。パンのように小麦を主体とした製品ならば、原価計算で1割ほど安くなる計算だ。

 TPP参加国からの輸入がほとんどを占める牛肉も、部位などによって価格が異なるため試算が難しいが、値下がりが予想される。特に輸入牛肉は外食産業で多く使われており、牛丼やステーキ・ハンバーグ、焼き肉などを扱う店にとっては恩恵がありそうだ。

 チーズもワインと相性の良いハード系のチェダー、ゴーダなどの関税が撤廃されるが、人気の欧州産はTPPの参加国ではない。

 米、野菜などは大きな影響はないとの試算もある。ただ、長期的にどうなるかは為替の変動の影響も受け、未知数な部分が多い。

 食の安全については、政府の説明によれば、遺伝子組み換え作物や農薬、添加物などの使用について国内規制や基準を変更する必要はないという。ただ、TPPには7年後に相手国要請による再協議ができるとの条項が盛り込まれており、米国からさらなる要求を突きつけられる可能性もある。

 米国産で使われるポストハーベスト(収穫後)農薬や家畜へのホルモン剤使用への不安を持つ消費者もいる中、TPPで国産が駆逐されれば、「欲しい」と思った時に既に国産が手に入らなくなっている可能性もある。

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