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「TPPって」…米国では関心薄? アトランタ取材記

  • 2015年10月10日 13時39分

見詰め続けたい 十勝への影響
 米ジョージア州アトランタで開かれた環太平洋連携協定(TPP)交渉の閣僚会合で、記者は9月29日~10月3日に十勝、道内関係者を取材するため現地入りした。現地の様子や現地で得た情報などを紹介する。(眞尾敦)

会場近くで反対運動する米市民団体関係者(2日)

急な閣僚会合 慌てて現地入り
 7月末に米ハワイ州で開かれた閣僚会合から、わずか2カ月。再び開かれることになった閣僚会合だが、直前まで開催が正式発表されなかった。

 現地取材に行くかどうか、十勝毎日新聞編集局の6人で構成するTPP取材班では最後まで判断に迷った。結局、正式に開催が発表されたのが5日前で、道内JA代表団の派遣も決まり、慌てて航空券や宿泊を手配。大筋合意の可能性がある以上、現地入りして取材する必要性があると意見が一致した。

■かさむ費用 モーテルに
 日本政府がTPPに掛けた出張旅費が9億円超にもなるというNPOの調査もあったが、十勝毎日新聞はハワイにも記者を派遣しており、かさむ出張費に頭を抱えた。アトランタへは同市に本社のあるデルタ航空が直行便を運航しているが、直前のため高額。読者からいただいた購読料を無駄遣いするわけにもいかず、記者は直行の半額程度の乗り継ぎ便を手配した。

交渉会場のホテル「ウエスティン・ピーチツリー・プラザ」

 現地で訪れた交渉会場のホテル「ウェスティン・ピーチツリー・プラザ」はリゾートホテルで、自民党議員団が宿泊するホテルもロビーにシャンデリア。一方、記者が宿泊したホテルは壁にひびの入った薄暗いモーテルだった。

 日本で同じ値段を払えば、もっとまともなホテルに泊まれるが、米国は15%程度の宿泊税があり、宿泊費もかさむ。利用したタクシーの運転手にも「このホテルは良くないよ」「なぜこんなホテルに?」と言われる始末だった。

 現地では、JAグループ北海道の代表団や、荒川裕生副知事らを取材したが、事前に予定が決まっていないことが多かった。随時、連絡を取りながら政府や自民党議員団からの非公開の説明会後に取材。その他は交渉会場で夜8時ごろに開かれる全体会合まで、その日の動きなどを探った。

 交渉会場には報道用待合室が用意され、待機する数十人の報道陣の大半は日本から。米国事情に詳しい日本人によると、一般の米国人はTPPをほとんど知らないという。

 会場外で行われた道内選出参院議員らのTPP反対運動を見た米国人から「TPPって何?」と聞かれ、「自由貿易協定(FTA)の一種」と答えたが、記者の発音が悪いのか、そもそもFTAを知らないのか「Free(フリー)」を「スリー?」と何度も聞き返された。

 米国の市民団体によるTPP反対デモも行われたが、日本の報道陣はほとんど取材せず。会場前に押しかけて騒然とした状況になってから、慌ててカメラを向けるテレビクルーも。

 会合は2日まで延長の可能性があったため、3日に帰国する予定だったが、まさかのさらなる延長に。記者も滞在延長を検討したが、費用も多額になるため断念した。

■合意の大臣 和らぐ表情
 結果、移動に30時間をかけ4日深夜に十勝に帰るまで交渉は決着せず。5日未明に甘利明TPP担当相が時折和らいだ表情を見せながら大筋合意に達する見込みを示した。

 会場のぶら下がり取材などで見た甘利大臣の表情は極めて厳しかったが、流れが変わったのを感じた。翌朝、帰勝から8時間後に出社し、畑にも出向いて大筋合意への十勝の農業者の反応を取材。農産物で多くの譲歩をし、多額の出張費を掛けた困難な交渉から生まれた大筋合意。十勝に果たしてどんな影響があり、どう対策するのか、本当に日本に有益な経済効果をもたらすのか、取材を続けていきたい。

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