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TPP注目「ホエー」 自由化ならチーズ製造直撃

  • 2014年11月1日 13時50分

 環太平洋連携協定(TPP)交渉で、チーズを製造する際にできる副産物「ホエー」(乳清)が注目されている。米国側が関税撤廃など大幅な輸入自由化を求めているとされ、脱脂粉乳の代替ともなることから国内乳製品や酪農全体への影響が心配されている。

 チーズ製造では凝乳酵素を加えると、固形のチーズ成分と液体のホエーに分離する。チーズとホエーの割合はおよそ1対9。ホエーの9割は水分で、大手乳業メーカーは乾燥させて粉状の「ホエーパウダー」を製造する。パウダーは業者などに販売され、菓子やパンなどに使われている。

◇菓子やパン使用
 ホエーの輸入は現在、国が管理する国家貿易や、使用目的を限定した低関税輸入枠(関税割り当て)で管理されており、自由化されていない。

 乳業会社に勤務経験があるチーズ工房「十勝野フロマージュ」(中札内村)の赤部紀夫会長は「ホエーの輸入が増えても中小の工房にほとんど影響はない。あるとすれば、大量のホエーが出る大手メーカー」とみる。同社で出たホエーは養豚業者に餌として提供するか、処理して廃棄するという。

 年間約1万2000トンのチーズを製造する明治十勝工場(芽室町)では数千トンのホエーパウダーができ、明治の菓子製造などに使われている。

 乳業メーカーでつくる日本乳業協会(東京)は「国産のチーズを振興するならホエーもうまく利用しなければ。輸入で安く入るようになれば、国内は廃棄せざるを得ず、処理費用がチーズ価格に上乗せされ、競争力が落ちることが懸念される」と指摘する。

 ただ、同協会によるとホエーの国内流通量は統計がなく、具体的な影響は予測できないという。

◇脱脂粉乳の代替
 仮に脱脂粉乳の代替として安い輸入ホエーが使われるようになれば、飲用よりも加工向け生乳が主体の十勝、北海道酪農への影響は避けられない。道外に比べ生産コストが安い道内の生乳が加工に使えず、消費期限が短く輸入で代替できない飲用に回れば、都府県の酪農が壊滅的な打撃を受ける可能性もある。

 士幌町で酪農を営む川口太一さんは「ホエーがTPP交渉の鍵になっていると聞いて驚いた。国は今後の国内農業をどうするのか、しっかり考えて交渉してほしい」と求めている。(眞尾敦)

<ホエーの関税と輸入量>
 農水省によると、ホエーの輸入には(1)国家貿易(2)飼料、粉ミルク用などに限定した関税割当(低関税の輸入枠)(3)普通輸入-の3種類がある。国家貿易は年間約4500トン。普通輸入は関税29.8%に加え1キロ当たり425円が課され、年2000~2500トンが輸入されている。

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