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TPPは実質合意?管内農家「正確な情報を」

  • 2014年5月3日 13時28分

飛び交う報道に困惑
 環太平洋連携協定(TPP)をめぐり、オバマ米大統領の来日(4月23~25日)後、日米2国間協議の結果についてばらつく報道に、十勝の農業関係者が困惑している。「実質合意」「合意内容判明」といった報道がある一方、麻生太郎財務相が「どのみち11月の米中間選挙前に答えは出ない」と発言するなど、交渉内容はほとんど見えていない。春の農作業がピークを迎える中、農家は不安を抱えた状態が続き、正確な情報公開を政府に求めている。

 TPPをめぐっては政府が大筋合意には達していないとするものの、秘密交渉の性格上、合意内容などは一切公表されていない。

 2日、民放テレビ局の1社は「TPP基本合意の内容が判明」と、重要5項目全てで日米が合意したとして具体的な関税率も含めて報道。日米首脳会談直後から「実質合意」と報道し続けている全国紙もある。

 芽室町で肉牛約4000頭を飼う大野ファームの大野泰裕社長は報道されている「牛肉関税9%に引き下げ」について、「ふざけている。日本とオーストラリア間の経済連携協定(EPA)で決まった(冷凍の)19.5%は何だったのか。はるかに日米が低いし、引き下げまでの10年というのも(日豪の15~18年に比べ)短すぎる」と憤る。経営の大規模化や合理化を進めてきた大野社長だが、「また1991年の輸入自由化後のようなサバイバルが始まるのか。これで決まってほしくない」と願う。

 十勝養豚振興協議会の鈴木勝会長(芽室町)は「交渉だからある程度、妥協が必要なのかもしれないが、情報が確かでない状態では何とも言いようがない」と戸惑い、「正確な情報が欲しい」と訴える。

 酪農の6次産業化で成功している十勝しんむら牧場(上士幌町)の新村浩隆社長は「情報に翻弄(ほんろう)されても仕方ない。お客さまに必要とされる農業をやるしかない」と話す。

 芽室町で約100ヘクタールの畑を家族で経営する尾藤農産の尾藤光一社長は、報道された関税率を「ありうる数字」と見つつ、「肉牛農家も畑作も選別し、戸数を少なくして欧米のように直接所得を補償する形にしていくのでは。経済関係者からは何で農業ばかり守るのかと言われるが、(農村)地方がなくなるのは国として良くない。以前は私も規模拡大派だったが、ある程度の戸数があってこそ、そのまちが生きる」と極端な農政転換に警戒を強める。

 管内30組織でつくる「TPP問題を考える十勝管内関係団体連絡会議」(代表・高橋正夫十勝町村会長)は今月、全団体の代表が集まる会合を開き、TPP反対の決議を行う予定。構成団体の1つ、十勝地区農協組合長会の有塚利宣会長は「政府は(聖域を守ると)言っていることと、やっていることが違う。(一部報道が)本当なら交渉から離脱すべきだ」と改めて求めている。(眞尾敦)

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