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十勝毎日新聞社ニュース

北海道にカブトムシ定着

  • 2013年10月13日 14時13分

 道内には本来生息していないカブトムシが十勝管内で定着しつつある。幼虫を人為的に移動させたり、飼っていた個体が逃げるなどして生息域が拡大しているとみられる。果樹などの食害や生態系への影響も懸念され、専門家は「外来種であることを認識し、これ以上、生息域を広げるべきではない」と指摘する。

今年、豊頃町内で見つかったカブトムシのつがい(8月)

 管内でこれまでに成虫や幼虫が確認されたのは、清水、芽室、音更、豊頃、陸別など広範囲にわたる。発酵熱のある堆肥や木材チップなどの中で幼虫が確認される例が多い。帯広百年記念館の伊藤彩子学芸員によると、目撃情報が多く寄せられるようになってきたのはここ数年で、市内での確認例もある。「幼虫は寒さに強く、チップを敷いた家庭の花壇の中などでも容易に越冬できる」という。

 定着の原因として考えられるのが、飼っていた成虫を逃がしてしまうケース。また、「つがいで飼うと高い確率で卵を産む。成虫が死んだ後、卵に気付かずに土を外に捨てることもあるかもしれない」(伊藤学芸員)と、意図せずに放している可能性も指摘する。

 道内のカブトムシの実態に詳しい丸瀬布昆虫生態館(オホーツク管内遠軽町)の喜田和孝学芸員によると、発生域の拡大は全道的な傾向。一つの発生域から離れた場所で突発的に次の発生が確認される例が多いことから、個人が飼育する少数の個体からの広がりよりも、堆肥などを移動させることの影響が大きいという。「発生域では堆肥ひと山に数千匹の幼虫がいる。樹木の根回りに多くいる例もあり、植樹で幼虫が移動することも」と話す。

 カブトムシは道の外来種リスト(ブルーリスト)で「防除対策の必要性について検討する外来種」に位置付けられている。増加で懸念されるのが果樹やナス科植物の食害。また、喜田学芸員は「道内では少ない樹液資源をめぐり、競合するクワガタが駆逐されることもある。北海道の古里観が変わる」と危惧する。

 今春には道生物多様性保全条例が制定され、指定外来種を逃がさないよう飼養したり、販売する際は外来種であることを説明したりすることが義務化された。指定外来種はまだ決まっていないが、カブトムシが含まれる可能性もある。

 規制の動きに対し、約40年にわたりカブトムシを養殖・販売してきた「かぶとの里」(陸別町)の林茂雄代表(64)は「ドーム式の設備を整え、逃げ出さないよう細心の注意を払ってきた。これまでも売る際には『逃がすな』と言ってきたが、責任を持って最後まで飼ってほしい」と話す。条例の可決もあり、「今年は1匹も売らなかった。このままでは来場者に見せるだけになるが、仕方がない」と肩を落とす。

 かぶとの里は管内や道東へのカブトムシ定着の原因としてたびたび指摘されてきたが、喜田学芸員は「かぶとの里から拡大した痕跡はない。道内の養殖場の中では管理もしっかりしている」と説明。「重要なのは外来種イコール外国産ではなく、カブトムシのような国内外来種があることを道民がもっと認識すること」と強調する。

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