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日本の獲得「ゼロ」 TPP利害関係者会合出席 内田聖子氏に聞く

2013年07月27日 14時20分

 【東京】25日までマレーシアで開かれ、日本が参加した第18回環太平洋連携協定(TPP)交渉の全日程が終了した。現地で利害関係者(ステークホルダー)会合に出席したNPO法人アジア太平洋資料センター(東京)の内田聖子事務局長(42)が26日午後、東京都内で十勝毎日新聞社のインタビューに応じた。内田氏は米国企業の利益につながる要求が相次いだことや、交渉内容の情報が出てこない異常な秘密交渉であることを問題視した。(聞き手・関坂典生)

<うちだ・しょうこ>
 1970年、大分県別府市生まれ。93年慶応義塾大学文学部卒。都内の明石書店勤務などを経て、2006年から現職。ステークホルダー会合には3月のシンガポール、5月のペルーにも参加し、今回が3回目。

重要5品目 知られてない
米国企業に利益異常な守秘契約

 −ステークホルダー会合とは。マレーシアではどんな話があったか。
 交渉参加国の利害関係者が価値観や主張を交渉官らに接して訴えるロビー活動をする場。企業、業界団体、市民団体などが参加している。TPP交渉は毎回、約10日間あるがそのうち1日だけ設けられる。

 今回の会合は20日に開かれ、日本の正式参加前だったため米国の市民団体「NPO法人パブリック・シチズン」の一員として参加した。今回は各国交渉官らにプレゼンテーションを希望した交渉参加国11カ国の44団体がそれぞれ15分間行った。

 −TPPは大企業のための協定と主張する人もいるが、どうなのか。
 ステークホルダー会合の参加者に大企業が多いことや、米国企業がTPPで獲得しようとしていることはパブリックコメントを見れば明らかで、日本市場の関税や非関税障壁がなくなれば企業の利益となる。

 −日本政府はTPPがプラスをもたらすと言う。交渉でのルールづくりへの反映も可能なのか。
 このタイミングで入るのは常軌を逸している。これまでの交渉で決まったものは変えられない。推進派さえ「勝ち取れるものがあるのか」と言う。日本の姿勢は勝ち取るものより最初から農業、医療、安全・安心の基準を守ると言い、最大限の獲得でゼロ、失敗すればマイナスだ。重要5品目を守るという発言は国際的には知られていない。

 −交渉に参加し情報は得やすくなるか。
 交渉には秘密保持契約があり、何を話したのかも言えない。この先、日本政府から交渉情報が出てくることはこれまで以上にない。厳格な契約書まで交わされる貿易交渉は類を見ない。そこにこそTPPの異常性がある。

 −今後、交渉はどういう展開になると考えるか。
 年内妥結は崩していない。来月ブルネイで開催することも決まり、ハイペースでスケジュールを立てているので10月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)には何らかの報告が出るだろう。

 −世界の経済はどうあるべきか。
 自由化が世界から貧困をなくしていない。格差が徹底的に広がった。一部はもうけ、多くの人が幸せになっていない。企業の経済活動は肥大化し、力を持った。企業は放っておけば利潤を追求する。暴走する企業に歯止めをかける存在として法律、労働組合、市民社会からの監視が必要だ。

 −十勝では反対が盛ん。今後その声をどう国に伝えるべきか。
 交渉に参加したので、断固反対を掲げた規模の運動継続とともに、政府に対しての主張をあらゆる形でロビー活動をする必要がある。政府の人と関わり、反対というだけでは無責任なので利害関係者として関与することだ。

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