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十勝毎日新聞社ニュース

全国で10.5兆円減 TPP大学教員試算

2013年05月22日 14時15分

TPP影響試算の結果を発表する大学教員(右から醍醐名誉教授、鈴木教授、土居名誉教授、関准教授、三好専任講師)

市産出額 輪作壊滅で6割減
全産業生産影響 190万人が離職

 【東京】環太平洋連携協定(TPP)に反対する大学教員897人で組織する「TPP参加交渉からの即時脱退を求める大学教員の会」(呼び掛け人・醍醐聰東大名誉教授ら17人)は22日午前9時半、TPP影響額の試算結果を発表した。輸入関税を撤廃した場合の農林水産業の損失は約3兆4700億円で、政府が3月に公表した3兆円を上回る。輪作体系が壊滅すれば、帯広市は農産物産出額(2009年・279億6000万円)の約58%を失うとした。

 醍醐名誉教授(財務会計論)の他、鈴木宣弘東大教授(農業経済学)、土居英二静岡大名誉教授(経済統計学)、関耕平島根大准教授(財政学)、三好ゆう桜美林大専任講師(同)が参院議員会館で会見した。

 同会では醍醐名誉教授と鈴木教授を中心に、影響額を試算する2つの作業グループを組織。試算には専門知識のある大学研究者の協力も得た。醍醐名誉教授のグループは15日に十勝の畑作などを視察、生産者らの意見も聴取した。

 醍醐名誉教授、土居名誉教授は、全産業の生産減少を約10兆5000億円と説明。政府が関税撤廃後も全体数で不変とした雇用は、農林水産業で約146万人、全産業で約190万人の離職者が出るとし、政府が3兆2000億円増としたGDP(国内総生産)は約4兆8000億円減とした。

 政府試算と乖離(かいり)した理由について、醍醐名誉教授は「消費が縮小すれば生産調整に跳ね返るのが現実。関連産業への波及(7兆円)も試算した。6月中に都道府県別のデータも出したい」と述べた。

 十勝視察も振り返り、「耕畜連携の十勝は畜産がダメージを受ければ、畑作にも影響が出る。TPP参加でそうした側面は考慮されていない。小麦、ビート、ジャガイモ、豆類の4年輪作が崩れれば、豆類も壊滅的打撃を受ける」と説明。輸入食品の生産履歴(トレーサビリティー)管理への不安も指摘した。

 関准教授は道内農家の所得減に関し、試算がまだできていないジャガイモ、ビートなどを除き559億円(2006〜10年平均比15.6%減)と説明。鈴木教授は「農業・食品分野を関税撤廃すると、日本の輸入増で国際価格が大きく上昇する。関税撤廃しない方が国益に合致する」と語った。(岩城由彦)

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