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十勝毎日新聞社ニュース

戸籍「生存」 移民政策や戦争に起因

2010年09月06日 14時51分

 高齢者の所在不明問題に関連して、十勝管内でも、戸籍がありながら住民登録のない所在不明の高齢者が相次いで確認されている。十勝毎日新聞社の調べによると、100歳以上だけで少なくとも716人(6日現在)に上ることが分かった。戸籍上の最高齢は、清水町の145歳の男性で「江戸時代の生まれ」となる。なぜこのようなことが起こったのか。自治体や釧路地方法務局(釧路市)への取材で探った。

 戸籍が放置された原因としては、例えば、移民が挙げられる。日本では戦前戦後の一時期、南米や南洋諸島への移民政策が取られた。音更町では、戸籍上の最高齢者131歳の男性が、役場の調査で南米に移住していたことが分かった。この男性の戸籍上の住所の地域では、かつて多くが海外移住したという。本別町でも、住所不明者215人中、73人がブラジルへの移民で、このうち20人が100歳以上だった。

 音更町では「戦前戦後に海外に移住し、住民登録をしなかった。あるいは、戦争や災害で一家全滅し死亡届が出されなかったのでは」とみている。

 現在では、死亡届が出された場合、現住地の自治体から本籍地の自治体に連絡がいき、戸籍が抹消されるため、届け出後も戸籍が残ることはありえない。

 不正受給が問題になっている年金は、住民登録で存在を確認している。戸籍は住民サービスと直結していないため、自治体運営上の問題は生じない。このため「なぜこれほどの騒ぎになるのか」と自治体関係者は困惑する。

 一方、全国では200歳という戸籍上高齢者も現れ、戸籍行政を所管する法務省では状況把握に乗り出した。釧路地方法務局は「戸籍は人が生まれてから死ぬまで、人としての存在を示すもの。多くの所在不明の高齢者が戸籍上記載されたままの状態は、真実性確保の面からも問題」という。しかし、戸籍はあくまでも死亡届など「届け出」を基本とするため、削除手続きについて法務局は慎重だ。

 法務局の許可を得て住民票がない高齢者を戸籍から整理する「高齢者消除」を自治体が行う際も、同一戸籍内のすべての人が110歳以上に達することを目安としている。音更町の131歳の男性の場合、同一戸籍内に住民票のない80代がいるため、160歳になるまで消除できない。

 今回の報道や相次ぐ自治体からの照会を受けて、同法務局は「個々の事案に応じて判断することは考えている」と柔軟な対応も検討している。

 大樹町、浦幌町は、戸籍の電算化を進める上で、「高齢者消除」をしたため現状はゼロ。

 戸籍を手作業で確認しているため「調査に時間がかかる」(上士幌町)、「4、5年に一度、法律に基づいて高齢者消除をしている。100歳以上という基準で調べていない」(豊頃町)という自治体もあった。

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