十勝毎日新聞社ニュース
十勝の米、水で日本酒を 産業連携プロジェクト始動

連携団体の代表者ら(右が増田理事長、同3人目は高橋会頭)
十勝管内の金融機関、経済団体、農協などが連携し、十勝の米と水を使った日本酒造りの試みが始まった。酒米や水の研究、米栽培、委託製造による醸造を進めて、2012年1月の販売を計画する。十勝の酒文化を見直し、再現するプロジェクトで、将来的に酒蔵造りも視野に入れている。
管内の酒造りの歴史は明治にさかのぼり、戦後も帯広や幕別、清水などに5つの酒蔵があったが、酒消費量の減少などで昭和後期に途絶えた。十勝産のワイン、ビール、焼酎はあるが日本酒はなく、十勝酒造組合が設立して100周年の今年、経済関係者の間で十勝の米と水を使った地酒造りの機運が高まった。
「とかち酒文化再現プロジェクト」とし、帯広信用金庫、帯広商工会議所、帯広市、音更町、木野農協、帯広畜産大学、帯広酒販協同組合など9機関が参画。近くワーキンググループを設け、酒米や水の採取地を研究、来春の田植え、秋の収穫、醸造を計画している。
音更町十勝川温泉の農家3戸、0.5ヘクタールの水田で栽培した酒米と管内で採取した水を、田中酒造(小樽市)に運んで製造。生産量は1本500ミリリットル入り、4000本を計画し、12年1月に販売する。管内のみで取り扱い、地元消費や土産などを想定している。
管内の農商工、産学官金の業界が連携した取り組みで、地元素材を使った新たな産業創出を目指す。農業や酒類小売り、飲食店、つまみとなる食品加工など多方面の産業への波及効果も期待される。稲作に触れる教育や観光面にもつなげる。
25日に帯商で会見した同信金の増田正二理事長は「酒文化をよみがえらせ、農商工連携、産学官金連携のシンボル的な取り組みにしたい」、帯商の高橋勝坦会頭は「十勝の米や水のPRになり、地産地消の取り組みにもなる」と期待した。



