十勝毎日新聞社ニュース
サンマ高騰 昨年の10倍
産地の水揚げ量不足が原因で、庶民の味「生サンマ」の高騰が止まらない。帯広市内には昨年同期の10倍に当たる450円の“高級サンマ”が並ぶスーパーも。大衆魚の代表格であるサンマの思わぬ“出世”に関係者は頭を抱えている。

1匹450円の生サンマが並ぶ市内のスーパー
帯広地方卸売市場(西21北1、山室俊晴社長)によると、20日現在の生サンマの卸値は1キロ3500円。取引量は昨年対比で20%にとどまり、1キロ600円だった昨年と比べると約6倍の価格にはね上がっている。一方で、例年だとこの時期には取引が少なくなる冷凍サンマが現在も継続して扱われるなど「今までにない状態」(同市場)が続いている。
市場価格の高騰は小売価格にも反映され、ダイイチ白樺店(白樺16西2)では生サンマの値段が昨年同期の10倍に。まるで高級魚のような価格に市内の主婦(52)は「絶対に手が出ない」と困惑。同店の生サンマの売上数は昨年の4分の1に落ち込んでいる。
テキサストムホール店(西20南2)では、あまりの高騰ぶりに「仕入れを控えている」(鮮魚担当者)。生サンマの価格が例年値まで戻るまで、解凍サンマで急場をしのぐつもり。「本当は旬の魚である生サンマをお客様に安く提供したいのだが…」と口調は重い。
ぴあざフクハラ西帯広店(西23南3)では例年この時期に行っているばら売りを中止。加熱用の生サンマを2匹398円などでパック販売することで「少しでもお得感を出している」(水産部門バイヤー)が、売り上げ数は昨年の5〜7割減と低迷。「昨年が安かった分、高く感じているお客様が多いのでは」(同)と分析している。
魚体が例年より小ぶりなことも消費者の割高感をあおっており、苦戦の要因に。あるスーパーの担当者は「(昨年のサンマは)丸く太った160グラムほどのものが大半だったが、(今年は)細く丸みのない130グラムほどのものがほとんど」と首をかしげている。
同市場は「高騰サンマは小売店で売れないはず。いずれ市場価格も下がるだろう」とみているが、価格が戻るかは不透明で、秋の味覚が食卓に並ぶ回数は減少しそうだ。



