十勝毎日新聞社ニュース
道東道無料化 峠は閑散
地方高速道路の無料化実験で、道東自動車道の交通量が3倍近くに増えている一方、隣接する国道の利用が激減している。国道274号の日勝峠からは大型トラックの姿が消え、国道38号の狩勝峠経由で上川方面に向かっていた乗用車も道東道にシフトした。トラック運転手やマイカー族をターゲットにしてきた国道沿いの飲食店は売り上げが減少、「(実験期間が終了する)来年3月までもたない」と悲鳴が上がっている。半面、従来団体の観光客を相手にしてきた店舗は影響を最小限にとどめている。

高速道路の無料化以降、交通量が大きく減少している日勝峠
売り上げ半減
日勝峠の入り口に当たる清水町。同町内の国道38号沿いのドライブインでは、峠に向かうトラック運転手の来店がめっきり減った。経営者は「ひっきりなしに通っていたトラックは、ぽつりぽつりになり、売り上げは半減に近い。このままでは冬は冬眠するしかない」とため息をつく。盆期間も状況は変わらなかった。
同町御影地区のレストランは7月の売り上げが前年同月より2割減。店の関係者は「これまで来てくれていた人も来なくなった。影響を覚悟していたがここまでとは…」と絶句する。
国交省によると、高速無料化後の国道38号の交通量は平日で4%減。国道274号に関しては、週末の交通量が28%も減った。道央圏から日勝峠経由で来勝していた大型車は無料化後、占冠インターチェンジ(IC)から道東道にシフト、乗用車も狩勝峠経由から道東道のトマム、占冠両IC経由で旭川・富良野方面に抜ける傾向が強まった。
狩勝峠に近い、新得町内の国道38号沿いの飲食・宿泊施設も影響を受ける。「今年は特に交通量が少なく、来客が1割程度は減っている」「今年は土・日も平日と入りが変わらない」と漏らす。
盛況の「道の駅」も
無料化でダメージを受けているのは、日勝峠の先の日高町も同じ。町役場の担当者は「昨年7月と比べて道の駅『樹海ロード日高』の来客数は半分以下。占冠まで延伸した際も1万人ほど減り、札幌から日高に人が来なくなってしまった」と強調。「町内の飲食店やコンビニも影響を受けていると聞く。このままだと事業者は持たない」とする。
逆に道東道の占冠ICに近い占冠村の道の駅は盛況。盆期間中も札幌や帯広ナンバーの乗用車が絶え間なく訪れ、昼食時は飲食テナントから待ち客があふれる状況となった。

盆期間中も多くの観光バスなどが訪れた日勝峠の清水ドライブイン



