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新エネ農業を…「植物工場」試験中

2010年08月11日 14時32分

アイスシェルターを利用した試験栽培を行っている室内の様子

 土谷特殊農機具製作所(帯広市、土谷紀明社長)は、北海道・十勝ならではの自然エネルギーを利用した完全制御型の「植物工場」を提案している。家畜排せつ物を利用するバイオガスや寒冷気候を生かしたアイスシェルターの冷熱といった同社が手掛ける技術を導入、電気代を大幅に節約して通年農業を行う。現在、試験栽培を重ねており、土谷社長は「既存技術を生かし、地域資源とコラボレーションさせる新しい発想」とPRしている。

 植物工場はアイスシェルターが空調分野を、バイオガスプラントが照明などのエネルギー源を賄う仕組み。同社は両方の技術を所有しており、このうちアイスシェルターの「工場」による栽培試験を市内で行っている。

 同社は二十数年来、北海道ならではの資源を活用しようと、アイスシェルター技術の確立と実用化に取り組んできた。氷が氷結・融解する時に気温0度、湿度100%の状態を保とうとする性質に着目、寒冷地の気候を利用して農産物貯蔵に最適な室内温度にすることに成功した。

■光熱費9割削減
 海上コンテナを改良した「貯氷室」(幅2.8メートル高さ2.8メートル長さ12メートル)に野菜貯蔵室(幅2.4メートル高さ2.4メートル長さ12メートル)を接続、貯蔵室の内部を人工的に空調管理する。二酸化炭素濃度を通常の約3倍に保ち、レタスなどの葉物野菜は促進栽培させると、年に8、9回出荷できるという。省エネに加え気候変動に左右されないため、安定した価格で供給が可能になる。

 今年に入りカネコ種苗(群馬県)と協力して4〜5月にリーフレタスの栽培を開始。照度、温度、湿度のデータを集計しながら7月に収穫を終えた。

 同規模の室内栽培より電気料金は60分の1〜70分の1に抑制、光熱費トータルでも同10分の1以下になった。

■課題は初期投資
 最大の課題は初期投資の高さ。高気密・高断熱のアイスシェルターを導入するには3000万円程度の経費が必要という。

 土谷社長は「事業費の3分の1が補助される経済産業省の新エネルギー補助事業もある。通年農業が可能となる仕組みを、ぜひ検討してほしい。飲食店や大型施設の食堂など、安全安心を重視し、安定価格での提供を望むところと提携して活用できれば」と話している。

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