十勝毎日新聞社ニュース
祖父の写真作品交え映像作品 佐竹真紀さん東京で個展
豊頃町出身の映像作家佐竹真紀さん(30)=札幌市在住=の個展が31日まで、東京都中央区京橋の「ASK?」で開かれている。祖父の写真家浦島甲一さん(故人)が撮った佐竹さんら孫の写真と現在の十勝の風景を組み合わせ、記録と記憶を重ねた柔らかで清涼感ある作品などが上映されている。

会場に展示した祖父甲一さん撮影の写真と佐竹さん
帯広三条高、道教育大札幌校卒。現在は札幌市内のデザイン事務所に勤務している。新たな作家を発掘し、多様な映像作品を紹介する「ASK?映像祭2010」内で個展を開催。佐竹さんは「暮らしあと」で昨年度の同祭大賞を受賞している。
祖父母や父母が残した幼少期の写真や映像に着目。「記録に残っているが記憶はない。そこに面白さがあり、つなぎ合わせて形にしたい」と、家族をテーマにした作品づくりを続けている。
新作「おもかげ」は甲一さんが撮ったモノクロ写真の足跡をたどるように、豊頃町内のハルニレの木や畑、帯広市内の道路などを撮影。数百枚の写真をつないで映像化し、祖父が残した畑や道路で遊ぶ孫たちの写真を重ねた。佐竹さんや甲一さんの視点、写真に収められた幼少期の佐竹さんの思いが交錯し、時代を超えた空間を構築している。
父守平さん、母旬子さんも甲一さんの写真の撮影場所探しに協力。佐竹さんは「祖父は作家として尊敬する人。記憶はよみがえらなかったが、新たに記憶をつくっている感覚。父母が喜んでくれるのが作品の原動力になっている」と笑顔で語る。
ほかにも、不在になった祖父母の家から、家族だんらんなど刻み込まれた生活の記憶を浮き上がらせた温かな作品「暮らしあと」など計10作品を公開。孫を撮影した写真展開催を希望していた甲一さんのため、幼少期の佐竹さんらの写真4点も展示している。「私と祖父の作品が対面し、うれしい。個展ではなく、祖父との共同展という気持ち」と話している。個展は入場無料。問い合わせは「ASK?」(03-5524-0771)へ。



