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バロン西の住まい取り壊し

2010年06月17日 14時55分

 米国ロサンゼルス五輪(1932年)の馬術グランプリ障害飛越競技で金メダルを獲得した故・バロン西(西竹一)が本別町仙美里にあった旧陸軍省軍馬補充部十勝支部に勤務中、住まいとして利用した旧官舎が、建物の著しい老朽化を理由に近く取り壊される。本別でバロン西とのかかわりを伝える“実物資料”の1つが、70年余りの歳月を経て姿を消す。

バロン西が住まいとして利用した旧官舎

 旧官舎は、37年築の木造平屋79平方メートル。バロン西が同支部に勤務した約2年間、住まいに利用した。戦後の払い下げで民家として利用された歴史もあるが、本別では、ロス五輪の英雄で日本の戦争史に名を残すバロン西に縁の“実物資料”に位置付けられてきた。

 ただ、長く空き家となっていた旧官舎は近年、建物全体が著しく老朽化。個人で建物と敷地を維持管理してきた足寄町内の所有者が5月下旬、町教委に「これ以上、個人の管理は難しい。町教委で活用する考えがなければ取り壊したい」と伝え、両者で今後の取り扱いを協議してきた。

 所有者からの相談を受け、過去に文化財保護指定を検討した町教委では今回、改めて取得も含めて検討。しかし、当時、文化財保護指定を見送った経緯があり、「取得して維持管理していくのは財政的にも難しい」(社会教育課)と判断。文化財審査委員会や関係者の了解を得て、所有者の意向に沿う形で取り壊しを了承した。

 ただ、検討過程で関係者から解体を惜しむ声も多かったため、町教委では平面図や写真を残すとともに、模型を用意することに。こうした資料を活用し、「後世にバロン西と本別のかかわりを伝えていく」(同課)考えだ。所有者によると、今月中にも旧官舎は解体され、敷地一帯が更地に戻る。

西竹一 1902〜45年。大日本帝国陸軍の軍人で、「バロン西」とも呼ばれた男爵。ロサンゼルスオリンピック馬術競技の金メダリスト。戦車第26連隊長を務め、硫黄島の戦いで戦死した。38〜40年、本別町内にあった旧陸軍省軍馬補充部十勝支部に騎兵少佐として勤務した。

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