十勝毎日新聞社ニュース
バロン西の住まい取り壊し
米国ロサンゼルス五輪(1932年)の馬術グランプリ障害飛越競技で金メダルを獲得した故・バロン西(西竹一)が本別町仙美里にあった旧陸軍省軍馬補充部十勝支部に勤務中、住まいとして利用した旧官舎が、建物の著しい老朽化を理由に近く取り壊される。本別でバロン西とのかかわりを伝える“実物資料”の1つが、70年余りの歳月を経て姿を消す。

バロン西が住まいとして利用した旧官舎
旧官舎は、37年築の木造平屋79平方メートル。バロン西が同支部に勤務した約2年間、住まいに利用した。戦後の払い下げで民家として利用された歴史もあるが、本別では、ロス五輪の英雄で日本の戦争史に名を残すバロン西に縁の“実物資料”に位置付けられてきた。
ただ、長く空き家となっていた旧官舎は近年、建物全体が著しく老朽化。個人で建物と敷地を維持管理してきた足寄町内の所有者が5月下旬、町教委に「これ以上、個人の管理は難しい。町教委で活用する考えがなければ取り壊したい」と伝え、両者で今後の取り扱いを協議してきた。
所有者からの相談を受け、過去に文化財保護指定を検討した町教委では今回、改めて取得も含めて検討。しかし、当時、文化財保護指定を見送った経緯があり、「取得して維持管理していくのは財政的にも難しい」(社会教育課)と判断。文化財審査委員会や関係者の了解を得て、所有者の意向に沿う形で取り壊しを了承した。
ただ、検討過程で関係者から解体を惜しむ声も多かったため、町教委では平面図や写真を残すとともに、模型を用意することに。こうした資料を活用し、「後世にバロン西と本別のかかわりを伝えていく」(同課)考えだ。所有者によると、今月中にも旧官舎は解体され、敷地一帯が更地に戻る。






