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十勝毎日新聞社ニュース

米沢則寿氏インタビュー

2010年04月19日 15時31分

 帯広市長選で大激戦の末、初陣を飾った米沢則寿氏が19日午前1時、十勝毎日新聞社を訪れ、1期目に臨む意気込みを語った。米沢氏は十勝の自治体連携や市役所改革に対する強い意欲を示すとともに、選挙で全面に掲げてきた、まちづくりの柱「フードバレーとかち」実現に向け、従来の産業施策を早急に総点検し、適宜手を打っていく考えを示した。
(聞き手・小野寺裕編集局長)

初陣を飾り、市政に臨む意気込みを語る米沢氏(折原徹也撮影)

市民が生き生き輝くまちに
 −138票差、歴史に残る名勝負の勝因は。
 今回強く主張してきたのは経済政策。元気なまちにしなくてはいけないと。ここは中小企業を見てきた目線で、これまで帯広市長ではいなかった中小企業経営者出身の市長として政策を訴えてきた。成長戦略では、フードバレーとかちと絡めてベンチャー育成の話をした。これが市民に理解していただき、勝利につながったと思う。パッケージとして話してきた理由は、そうしないと福祉・医療など十勝・帯広らしい政策を打っていけないということ。産業政策を打たず使うだけ使ってきて、財源の底が見えている。高齢者人口が増える中、どうするかと。これに演説会でも高齢の方がうなずいてくれた。こういう訴え方をすれば分かってもらえるのかと、特に後半戦、自分の中で感じられた。

 −最も取り組みたい産業政策は。
 従来も個別にいろいろなプラン、工夫は結構やっていると思う。ただ、能力のある人と、推進の責任、イニシアチブを取る人がいたかが差に出たのではないか。まずこれまでの政策を全部見たい。その上でなぜいままで動いていなかったのかを確認し、どうすれば前に進むかを示したい。
 中小企業政策は、当面の応急手当てになるかもしれないけれど、メリハリをつけなければいけないと思っている。国からもいろいろな資金の制度も来ているので、そこをきちんと有機的につないでいく。選挙で中小企業者と話す中で、帯広は結構先駆的な動きをしてきているが「自分たちと行政の波長がうまく合わない」と途中で嫌になっていた。コミュニケーションを取って一緒にやっていく。

 −市役所を働く集団にすると語ったが。
 市役所改革は待ったなし。まず意識改革。自分たちは考え方が違うことに気づいてもらう。口を酸っぱくして言っていく。彼らと同じプロセスで上がってきた市長には言えないが、僕はプロセスの違う人間なので、僕が感じたことを率直に話していく。
 松山千春さんに「株式会社帯広の社長をやってくれ」と言われた。経験上、上司が働かなければ部下は働かない。そういう意味で私は自ら働く。彼らが「えっ」と思うくらい働き、一生懸命働いている人に気づいてもらう。動いて働いて…。彼らとは仲間であり、社長と部下は対立軸ではない。
 業務プロセスを変えるのが第一。やり方を根本的に変えないとだめだということを認識してもらう。そうしないと合理化はできない。私は20年くらい自分の会社で合理化などやってきたが、この順番を間違えると失敗する。

 −副市長人事への考えは。
 私は長く帯広にいなかったので、まず市役所の中の人を知りたい。また帯広市の中にもどんな人がいるのか。自薦他薦、いろいろな可能性も含めて白紙。自分の周りに特別なチームをつくる気はないものの、政策を進めるには、1人ではできない。同じ志、同じ理解を持ってもらえる人を選びたい。方向はあるが、具体的な人名は全くない。

「フードバレー」で活性
市役所改革、十勝連携へ力

 −高速道路開通を控え、都市間競争の中で、どのように打ち勝っていくか。
 具体的なアイデアというより、これは自分の性格だが、悲観的に考えない。もっとポジティブに考えた方がよい。高速道路の件も、これからのマーケットが大きくなる部分はどこか考えた方がよい。
 持っていかれる部分があるのは否定しないが、これは止められない。逆に持ってこられる部分はないのかを考えるべきだと思うし、持ってこられないのなら、この範囲のものと別な範囲のものを一緒にできないかを考える。

 −観光振興策は。
 PRの仕方、視点、発想が重要だと思う。あとは行動。長く外の世界にいた視点が期待されていると思う。離れたところから見た帯広・十勝の良さを、自分なりに意見として出していく。つながりのあるPR会社や企業人などからの意見も聞く。自分自身もトップセールスをやる。
 道の観光担当者が私の会社にも来ていたが、どうしてこんな頼み方をするのかと、ずれを感じるポイントがいくつもあった。もし民間から何かを引き出してこようとするなら、活動の仕方が違う。自分が見てきた「変だな」と思うところを伝えていく。

 −都心部空洞化をどうするか。
 待ったなしの話だが、簡単な話でもない。東京では年配者が都心に回帰しているが、帯広では生活インフラという点で、都心が良いと必ずしもいえない。そうするとイベントなのか、なかなかアイデアは出てこない。
 難しいが、中心部は帯広の顔。フードバレーとかちを言い出したのは、まちづくりの方向だ。フードバレー都市として帯広駅前、広小路はどうあるべきか、個別に今取り組もうとしている開発やまちづくりが、本当にずれていないのか。今まで方向性が明確ではなかったので、いろいろな業種が入ってきていた。フードバレーを旗印に、その上で中心部を含めたまちづくりを考えたい。

 −十勝連携の位置付けは。
 先ほども町村長の方々に「スクラム十勝でお願いしたい」と言ったら「やりましょう」と。首長同士、普段のコミュニケーションが必要だと思う。いろいろな話ができる関係をつくりたい。用事のあるときだけいってもだめ。会う回数を重ねるほど、互いの間合いが詰まり、何かやるときに「よし、一緒にやろう」となってくれると思う。
 最近リーダー論が変わってきたと感じる。「俺についてこい」ではなくなってきている。このテーマではここがリーダーで、私はフォローなど、調整型ではないが、役割を明確にすること。ただ、どこでも一番動いているまちは帯広にしたい。そこが止まっては話にならない。市役所職員をここでも意識改革していかないと。勘違いして町村に何か言いにいくと、職員同士の接点で、うまくいかなくなる。隗(かい)より始めよ、ではないが、自ら示したい。状況を把握すれば、職員から上がってきたことのチェックもできる。

 −モデルとなる町は。
 やはりそこの人の目が輝いている町がいい。特に老人の目が輝いている町はよかった。生活のスタイル・クオリティーにこだわりを持ち、そこに住むことを選択する。そうすれば当然口も出すし、自分も動く。そういう町がイギリスにはいくつもあった。帯広も高齢者の方が生き生きと生活できる町にしていかないといけない。それがないと若い人も輝かない。

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