十勝毎日新聞社ニュース
「サホロの五輪選手」凱旋 エチオピア唯一の代表 ロベールさん
スキー指導員に復帰
クラブメッド勤務 応援に感謝
バンクーバー冬季オリンピックにエチオピアから唯一人クロスカントリー競技に出場したクラブメッド・サホロ(新得)のスキーインストラクター、ロベール・テクレマリアム選手(35)が24日、五輪後初めて十勝入りし、トリノに続き2大会連続出場となった五輪を「たくさんの人が注目してくれた。次のソチ五輪はエチオピアから何人かの選手を連れていきたい」と振り返った。サホロでは25日から4月4日まで子供向けの特別レッスンを行っている。

子供たちにレッスンを行うロベール選手
同選手は移住先の米国でスキーに出合い、12歳からクロスカントリーを始めた。同国でスキーの名門大学を卒業後、1997年からクラブメッドのG・O(スタッフ)として、コロラドで8年間勤務。2006年にサホロのインストラクターとして初来日、09年まで毎年冬に勤務してきた。
98年長野五輪にケニア人スキーヤーが出場したのを見て五輪を目指すことを決意。01年から本格的に競技に取り組んだものの母国は冬季スポーツにまったく縁がなく、出場のための条件さえ分からなかった。ソルトレークシティー五輪後に自らエチオピアスキー連盟を設立、代表に就いて出場環境を整え、トリノ出場を果たした。
今五輪に備えて欧州と母国で練習を重ねた。「エチオピアではローラースキーを使い、車の行き来が少ない時間帯に練習した」という。バンクーバーでは到着の空港からエチオピア人たちの『ロベール!』コールに驚かされた。競技会場でも「みんながエチオピア国旗を振って見に来てくれた」と勇気づけられた。
男子15キロフリーは95人中93位だった。スタートしてすぐに左手のストックのストラップが壊れるアクシデントが発生。「レース中に他国のコーチがストックを貸してくれたがそれが右手用だった。次に別のコーチから受け取ったものは30センチも長かった」と笑う。結局自分用のストックを手にしたのは5キロすぎ。「(順位は)もちろんこれのせいだけではないが、トラブルがなければもっといい結果が狙えた」と悔しさものぞかせた。
五輪期間中はインターネットの交流サイトを介してサホロのG・Oたちとも連絡を取り合い、温かい励ましも受けたという。「サホロは第2のわが家のようなもの。校長をはじめ他のG・Oたちにも感謝している」と語った。
25日は宿泊者を対象としたレッスンを行い、子供たちは五輪選手からのアドバイスに熱心に耳を傾けていた。五輪での映像などを交えてトークショーも行った。来季もサホロに赴任する予定という同選手は「エチオピアにスキーを普及させて、冬の五輪にどんどん選手を送り出すのが夢」とうなずいた。(古川雄介)



