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十勝毎日新聞社ニュース

小説家・鳴海さん 最新作「テストパイロット・イン・ジャパン」刊行

2010年03月05日 13時57分

空自岐阜基地で取材 初のノンフィクション
 帯広在住の小説家・鳴海章さん(51)の最新作「テストパイロット・イン・ジャパン」=写真・さいとうさだちかさん、●(木へんに世=えい)出版社刊=が2月28日に刊行された。単行本67作目となる著作は、航空自衛隊(空自)岐阜基地にある飛行開発実験団のテストパイロットを取り上げた初のノンフィクション作品。空自のプロ中のプロのパイロットたちと19年間にわたる親交の中から生まれた実録で、平和を守るための最前線で命懸けの任務に就く人間のドラマを描いた。「空自パイロットと、写真家さいとうさんとともに作り上げた著作。緊迫した美しさが凝縮された写真をまず見てほしい」(鳴海さん)と語る。

パイロットの表情をとらえたさいとうさだちかさんの写真、鳴海章さんの綿密取材で完成した「テストパイロット・イン・ジャパン」

鳴海章さん

「緊迫した美しさ凝縮」
 鳴海さんは1991年に江戸川乱歩賞を受賞した「ナイト・ダンサー」など航空小説の第一人者で、各地の空自基地を訪ねてパイロットたちと親交を深めた。95年には訓練飛行にも体験搭乗。97年に故郷・帯広に戻り、ばんえい競馬や狙撃手シリーズなど幅広い分野で執筆している。架空の戦闘機女性パイロットを主人公にした初のコミック「レディイーグル」(現在第5巻まで刊行、漫画は千葉きよかずさん作、角川書店刊)の原作取材で2006年から空自取材を再開、今作のために昨年3月、岐阜基地を訪れた。

 主人公はコールサイン「カービー」の藤曲雅彦3等空佐。空自で使う戦闘機などの航空機・装備の性能テストのために限界を超える危険領域に挑み、空中で起きた事象を「だれにでも分かる言葉で伝える」任務に就く。米国生まれの航空機も日本特有の環境に合わせ、運用方法も含めて開発していく重要な仕事だ。音速で飛び一瞬の判断ミスも許されない緊張の連続、最先端技術の世界だが、人間くさいエピソードも数多く盛り込まれている。

 写真は自動車レースやスポーツカーの美しさを表現してきた写真家のさいとうさん(東京在住)。「パイロットのまなざしや指先の動きまでもとらえて美しい。さいとうさんとは雑誌のグラビアなどで長い付き合いだが、1冊にまとめた本は今回が初めて。写真だけでも一見の価値がある」と鳴海さんは語る。A5判199ページ、1575円。(横田光俊)

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