十勝毎日新聞社ニュース
合唱と歩んだ半世紀 十勝文化賞の加藤さん
NPO十勝文化会議(林光繁理事長)の十勝文化賞に輝いた加藤靜一さん(68)は「帯広合唱連盟の会員約700人を代表していただいた賞だと思っている。50年間の連盟の活動にかかわったすべての人に感謝したい」と喜びを語った。このほか、奨励賞の1団体、特別賞の2個人も受賞を喜んだ。(丹羽恭太)

熱い指導で十勝の合唱界をけん引してきた加藤さん(自宅の練習場で。塩原真撮影)
帯三条を5度全国へ数々の公演仕切る
「すべてに感謝」
1941年、網走管内湧別町生まれ。音楽と出合ったのは中湧別小学校時代。音楽よりも魚釣りや川遊びに熱中し、ハーモニカを逆さまに吹いていることにも気が付かない少年だったが、楽譜を読む力はたけていた。6年生の秋、それを見込んだ教員にピアノを習うよう勧められた。初めは紙の鍵盤での練習だったが、上達すれば1日30分だけ本物のピアノに触らせてもらえるのが楽しみで、熱心に取り組んだ。
北海道教育大学札幌分校ではピアノを専攻。67年から帯広三条高校で合唱指導に当たる。学生時代、札幌交響楽団の第九専門の合唱団「ノインテコール」に参加した経験はあったが、専門は楽器で、「本当は吹奏楽部を担当したい気持ちがあった」と明かす。「音楽教師は合唱部を担当する」という慣例に従って始めた合唱指導。「前任者が65年に全国大会に出場していたというプレッシャーもあり、初めのうちは鳴かず飛ばずの状態」と当初の苦労を振り返る。
転機は85年。作曲家や合唱指導者として名高い菅野浩和氏(東京)の助言を受け、当時の道内の合唱団ではほとんど例がないルネサンス・ポリフォニー(無伴奏曲)を課題曲に選び、全国大会出場、銅賞獲得を成し遂げた。以後、4度の全国大会出場を果たした。81年に同校合唱部の卒業生を中心に設立した女声合唱団「ヴォワ・デ・フルール」も3度、全日本合唱コンクール全国大会に出場した。
89年に市民文化ホールこけら落とし公演「天地創造」、92年に市開基110年記念公演「交響詩十勝」「メサイア」で指揮棒を振るった。また、97年の市民オペラ「カルメン」では3年がかりで合唱指揮を担当した。
2000年に同連盟第3代理事長に就任。08年、全日本合唱連盟など主催の「おかあさんカンタートinおびひろ」を実行委員長として取り仕切ったほか、昨年12月の十勝毎日新聞創刊90周年・同連盟創立50周年を記念した帯広交響楽団特別演奏会「カルミナ・ブラーナ」を成功に導くなど、十勝の音楽文化の振興に貢献し続けている。
合唱の魅力について「1人で歌うと1人分の声だが、2人で声を交わすと3倍にも4倍にも美しく重なり合うところ」と力説。「私が人の役に立てるのは合唱だけ。体が続く限り続けていきたい」と意欲を新たにしている。




