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コーチとして初五輪 川原正行さん(開西病院監督 帯広市教委)

2010年02月26日 16時07分

「地元チームから」結実
教え子たち大舞台へ

 「これまで十勝出身の選手はいても、地元チームから五輪に出た選手はいなかった。これで帯広・十勝の人たちに夢や希望を与えられたならうれしい」。平子裕基、土井槙悟ら教え子たちが五輪の舞台で力を振り絞る姿に、スピードスケート日本チームの川原正行コーチ(54)=開西病院監督、帯広市教委=は特別な思いを抱いている。

 「あれ、初めてでしたっけ?」とよく聞かれる。現役時代は2度の五輪を経験、清水宏保をはじめ数々の名選手を中学・高校生時代に育てた川原コーチだが、指導者として自身が五輪に立つのは初めて。開西病院チームが立ち上がる06年まで、十勝に社会人選手が所属できる実業団はなかったのだから当然だ。

 個人種目は終わり、あとは団体追い抜きを残すのみとなった。初五輪の土井については「長野と変わらないタイムを出したのが素晴らしい。ひと回り大きくなった」と感じた。平子へも「体格ではチャボとダチョウが戦うようなもの。よく力を出し切った」と賛辞を送る。彼らをコーチングゾーンから『がまん』『行ける』と書き込んだスケッチブックを見せて励ました。

 他のコーチたちが各実業団で専任なのに対し、川原コーチはあくまで市職員。片手間に指導して強くさせられるのか、市職員なのになぜスケートの指導をしているのか−。「批判もありました。市に理解していただいてできることなので、そのためにも実績を上げなければならないプレッシャーがあった」と明かす。

 それでも大学を卒業して所属先がなく、やむなくスケートを辞めていった教え子たちの姿を見かねて、地元で続けられる場をつくりたいという使命感に燃えた。「専任でやっている人たちに負けたくなかった。その分、女房なんていつも1人にさせてしまったけれど」。犠牲にしたこともあったが、十勝から五輪を目指す道筋をつくりたかった。

 「開西病院の細川(吉博)理事長にここまで来ていただいて2人の滑りを見せられてよかった」。平子、土井を職員として採用して支援する病院への感謝の思いと、当初の目的を達成できたうれしさを五輪のリンクで実感している。「応援してくれる人がこんなにいたんだと気づかされた」と、十勝中からのエールにも勇気づけられた。

 26、27日(日本時間27、28日)の団体追い抜きのメンバーは平子、土井のほか、杉森輝大(吉羽木材−明大、白樺学園高出)、出島茂幸(十六銀行)と全員が教え子だ。男子の中・長距離は世界との差が大きいが、「個々で無理でも4人なら戦える」と言ってきた。“チーム川原”が一丸になった時、世界を驚かせるかも知れない。(バンクーバー=古川雄介)

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