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十勝毎日新聞社ニュース

私の歩んだ道 帯広市長選 米沢則寿氏

2010年02月26日 13時30分

 帯広市長選(4月11日告示、同18日投開票)に立候補を予定している米沢則寿、上野敏郎両氏の半生を紹介する。



国内外を駈け巡った会社人生から一転、市長選への出馬を決断した米沢則寿氏

世界駆け巡り 経営感覚磨く

自分の経験を故郷の再生に
 「青天のへきれき。光栄だったが(市長への)考えが成熟していなかった」

 米沢則寿氏は2005年の暮れをこう振り返る。翌年の市長選を控え、経済人有志らから突如出馬要請を受けたのだった。中小企業の上場、業務改善などを支援するコンサルタントとして全国を飛び回る米沢氏に、新しいリーダーとしての期待が高まった。

 06年市長選は結局辞退するが、地方自治と向き合う契機になった。自治体経営に対するばくぜんとした思いがくすぶった。超多忙な日常業務の合間に一冊の本と出合う。榛村純一前掛川市長の著書「地球田舎人を目指す」。榛村氏は全国初の「生涯学習都市宣言」を行うなど、高い行政手腕で知られていた。

 「故郷、大都会、グローバルの3つの土地勘をクロスさせる見識・能力が新しいリーダーの要件」との記述に思わず引きつけられた。自分の姿を重ね合わせた。

 そこに昨年8月の政権交代。ビジネスシーンのど真ん中を走り続けた「ノンポリ」の心の中で、7年後の定年を意識していた「守り」の部分が音を立てて崩れた。

 「情報開示、内部統制、評価と報酬の仕組みづくり…。自分の仕事は、これからの自治体経営に求められていること。故郷の役に立つことができると震えを覚えた。10年後は必要とされない人間かもしれないが、今度の選挙で自分の経験が生かせるはずだ」

 市長選への出馬を決断した経緯を率直に語る。

きょうだいで店手伝いや介護
 市長を志すことは「Uターン」を意味した。生家は大通南8で贈答品を扱っていた「米澤商店」。3人きょうだいの次男坊。寝たきりの祖父母と同居し、厳しい家内工業と祖父母の介護をきょうだいは塾にも通わず手伝った。「経済的に厳しかったが、家族の温かさや大切さを学ぶことができた」と語る。

 帯広第六中で生徒会長を務め、卒業生代表答辞を任された。中学からバレーボールを始め、帯広柏葉高では全道大会にも出場。バレーボールは、大学、社会人でも現役を続け、もともとは体育会系を自負する。

 北大に進学した大学時代、仕送りは下宿代のみで、週7日のバイトで学費を稼いだ。奨学金支給日には決まって本屋に走り、大江健三郎らの純文学に没頭した。趣味の読書とはこの時に出合う。

 初めての職場は石川島播磨重工業(現IHI)で、1978年に入社。中近東やアフリカのケミカル・ガスプラントの輸出業務に就き、83年から2年間はアルジェリアに駐在した。商社やゼネコンをコーディネートしたこの時期が人生の第一の転換期となった。「協力して物事をつくり上げる喜びを学ばせてもらった」と語る。

 85年に日本合同ファイナンス(現ジャフコ)に入社。89年、英国ロンドン駐在を命じられる。ヨーロッパのブロック経済化がささやかれた時期で、日本の企業から託された150億円を持って乗り込み、英、独、仏の企業に投資した。

 日本企業と欧州圏のパイプ確保に奔走した6年間が第二の転換期。欧州人との付き合いから、個人の確立と多様な価値観との共存という感性を磨いた。

 95年、北海道ジャフコ(札幌)の社長に就任。大学卒業以来17年ぶりに北海道に戻った。帯広を含む道内22社の上場をサポート、2カ月に1度は帯広も訪れ、故郷の経済力に可能性を感じた。半面、少年時代に心躍らせた中心市街地はにぎわいを喪失、心を傷めたという。

全国に誇れる帯広の“風土”を
 全国、世界を風のように駆け回った半生。長年のビジネス経験から「うそを言わない」という人生訓を得た。2人の子供は札幌で独立、2月6日に弥生夫人(50)と共に帯広に居を移した。満を持して市長選に打って出る。

 「帯広の土に還り、全国に誇れる帯広の『風土』を市民と共に築きたい」。米沢氏は決意を語る。(高田敦史)


よねざわ・のりひさ 1956年帯広市生まれ。帯広柏葉高、北大法学部卒。石川島播磨重工業、日本合同ファイナンス(現ジャフコ)などを経て95年から北海道ジャフコ社長。2005年にジャフココンサルティング社長。10年1月からジャフコ経営理事。53歳。

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