十勝毎日新聞社ニュース
平子 完全燃焼 応援に恩返しの滑り
ラスト4周 気合の32秒台
7200メートルを過ぎ、平子裕基(開西病院)の表情が苦悶(もん)にゆがんだ。1周のラップも33秒台に落ち同走にも抜かれたが、残り4周で再びラップを32秒台に上げて抜き返した。「最後は気合。ここまできたら1つでも順位を上げたかった。足を動かせるだけ動かした」。結果は11位。目標としたトップ10には入れなかったが、限界に挑んだ平子は満足そうに観客席に向かって両手を振った。
32秒台半ばのラップを想定していたが、ライバルたちが積極的に飛ばすのを見て刺激を受けた。前半は32秒台前半をキープ、川原正行コーチ(開西病院監督)がスケッチブックで示す『がまん』の文字に気持ちを奮い立たせ、目いっぱいの滑りだった。「この4年間病院に所属して、みんなに応援してもらいスケートに真剣に取り組ませてもらった恩返しをしたかった」。
個人や少人数でも練習できる短距離と違い、長距離の練習で質、量をこなすためにはある程度の人数が必要と常々語ってきた。海外勢との体格差を埋めるための練習は苛烈(かれつ)を極め、チームとして刺激し合わなければ心が折れかねない。「大学を卒業した時に自分を受け入れてくれるチームはなかったが、今もうち(開西病院)だけ。問題だとは思う」と第一人者として現状を憂えてきた。
この4年間でトップ10に近づいた感覚はあった。だが五輪シーズンに再び差をつけられた。技術は海外勢にひけをとっていない自信がある。だが体格差はそれ以上に大きい。「それでも日本人は技術で勝負するしかない。体形や体力を補えるだけのものを身につけるため、若手には試行錯誤して欲しい」と平子。自らの今後については「いつかは踏ん切りをつける時がくるもの。納得するしかない」と今は燃え尽きた思いだった。(古川雄介)



