十勝毎日新聞社ニュース
高木 大きな収穫 女子1500メートル
充実感と悔しさ
ソチ五輪へ意欲
「持っている力は出し切った。悔いは残らなかったです」。得意の1500メートルを滑り終えた高木美帆(札内中)は客席に向かって何度も頭を下げた。笑顔は控えめだったが、完走選手中最下位に終わった1000メートルとは違う充実感がにじんだ。15歳の若さで迎えた初五輪、「いろいろなものを得たと思う。これからもっと頑張っていきたいという思いが強くなった」とうなずいた。
「飛ばしていく」と宣言していたが、スピードのある同走の米国選手につられることなく、自分のペースを守る冷静さがあった。「1000メートルは空気にのまれたけど、そこから自分なりに集中する感じをつかめた」という。先輩たちがレースに向けて集中を研ぎ澄ます姿勢を間近で見たのも勉強になっていた。
小学生時代から群を抜く速さを見せ、大会では転んでも立ち上がって滑って優勝したことさえある。目の肥えた十勝のスケート関係者も、『ものが違う』と早くから絶賛した。逸材と騒がれる娘に父・愛徳さんは「兄や姉がいたからあなたはスケートをやっている。指導してくれる人がスケートだけでなくサッカーも続けていいと理解してくれるから続けられるんだ」と諭してきた。
この数カ月で一躍日本中に名を知られるようになり、本人の意志とは関係なくメダル取りまで騒がれた。だが周りの目が劇的に変わっても、父が教えてくれた謙虚な姿勢を忘れたことはない。個人種目をすべて終え、「おじぎをしたのは応援してくれた人たちへの感謝の気持ちからです」と答えた。期待を背負って滑ることの意味も、五輪で初めて知った。
まだ中学生だから、という甘えはない。代表としてこの地に来た以上、23位に終わった結果も「自己ベストにも届いていない。自分の力不足です」と、しっかり受け止めている。4年後のソチ五輪は日本のエース格になるべき存在。高木にとって悔しさも、充実感も、何もかもが次へのステップになるはずだ。(古川雄介)
※高木美帆選手の高の字は異体字です。




