十勝毎日新聞社ニュース
凱旋 Vサイン 五輪決めた高木選手(札内中3年)
大歓迎「代表を実感」
来年2月のバンクーバー冬季五輪(カナダ)開幕まであと43日。十勝勢はスピードスケート界初の中学生五輪代表・高木美帆選手(札内3年)ら10人の選出が30日に発表され、翌31日の管内は歓喜に沸き立った。高木選手は同日午前9時半、とかち帯広空港に凱旋(がいせん)した。空港には保護者、同級生ら関係者約70人が集合。手作りの横断幕と花束で十勝が育てた“超新星”を出迎えた。(五輪取材班)

札内中サッカー部の仲間から祝福を受け、Vサインを見せる高木選手(31日午前10時、とかち帯広空港で。折原徹也撮影)
同級生「美帆おめでとう」
高木選手が現れると「おめでとう!」との声が上がり、到着ロビーは祝福ムード一色に。あまりの歓迎ぶりに「(五輪代表になったという)実感がわいてきた」と同選手。
空港には受験勉強の合間を縫って同校サッカー部の3年生12人も駆け付け「五輪代表決定おめでとう」などと書かれた横断幕を掲げた。蓮見健斗主将が「思わず自慢したくなるほどの親友」という高木選手に花束を手渡すと、選考会の表彰式でも涙を見せなかった同選手もホッとしたのか目頭を押さえた。
父・愛徳さん(52)は「すごいことをやったんだなと思った」と感無量の様子。母・美佐子さん(47)は「まだ不思議な気分。こんなに多くの人に応援してもらい感謝の気持ちでいっぱい」と喜びをかみしめていた。
年明けの高木選手は1日に網走管内小清水町にある美佐子さんの実家へ移動。家族と親せきらに囲まれて正月を過ごし、3日に更別村運動広場スケートリンクでの陸上トレーニングから五輪イヤーを歩みだす。
闘志秘めた頑張り屋
サッカー、ダンス“三足のわらじ”
高木選手はだれもが認める頑張り屋。小学生時代は陸上競技で数々の記録を樹立、小学1年から始めたヒップホップダンスの週1回の練習も欠かさない。サッカーでは昨年12月に全国から選抜された合宿に参加。「何事に対しても一生懸命にやる子」(担任の石原宏希教諭)。小学生時代のサッカー指導者で幕別札内FCの小田新紀監督も「努力して能力を高めた」と語る。
中学のサッカーでは男子と一緒に練習してエース級の活躍。「時間があればトレーニングしていた」(同校サッカー部顧問の森英樹教諭)。同級生の蓮見健斗主将は「弱音をはかず、どんなことにも立ち向かう勇気がすごい」。
一緒にスピードスケートに取り組んでいる姉・菜那さん(17)=帯南商高2年=は「心の中には『やるぞ』という気持ちがある」と妹には内に秘めた闘志があることを明かす。しかし不調の時には「自分の未熟さを感じていたようだった」(母・美佐子さん・47)とも。
学業の両立は大変だがトップクラスの成績。石原教諭は「遠征で欠席したときには友達にノートを借りて勉強している」。ヒップホップダンスを習っているバレエ&ダンス内杉の内杉悦子代表(56)も「女の子とは思えないダイナミックなダンスを身につけている。とてもハイレベル」と話す。
「地域の宝」
札内中の高橋智彦校長は「彼女の頑張りは他の生徒の励みになる」。自宅がある札内北町第3公区(151世帯)には北京五輪のマウンテンバイク・クロスカントリーに出場した山本幸平選手の地元でもある。公区長の西尾峰明さん(64)は「2人の五輪代表は地域の宝」と喜ぶ。
サッカー界も今回の快挙を祝福。帯広地区サッカー協会の金澤耿会長は「サッカーとスケートをしっかりと両立させたことが能力を伸ばし、代表入りにつながったと思う。同じサッカー仲間として応援する」とエールを送る。
※高木美帆選手、高橋智彦校長の高の字は異体字です。




