HOME 十勝毎日新聞社ニュース 自己管理の思い新た トムラウシ山遭難から1週間
   |  twitter |

十勝毎日新聞社ニュース

自己管理の思い新た トムラウシ山遭難から1週間

2009年07月23日 13時59分

防寒し続々と入山
登山客「山で黙とうを」

 【新得】大雪山系トムラウシ山(2141メートル)で中高年の登山ツアー客ら8人を含む9人が死亡した遭難事故は、23日で発生から1週間がたった。道内夏山遭難では史上最悪の惨事となったが、同山の登山口では、この日も中高年の登山客30人ほどが、事故の教訓を生かす姿勢を見せながら「きれいな山なのでぜひ登りたい」と小雨が降る中、続々と入山した。

遭難事故から1週間。多くの登山客があこがれるトムラウシ山には、23日も早朝から入山者が相次いだ(23日午前4時ごろ)

 トムラウシ山短縮コース登山口。午前3時半を過ぎ、辺りが白んでくると車内で一夜を過ごした人たちが外に出て登山の準備を始めた。同4時ごろ、手元の温度計は13度。登山口には新潟、三河、豊橋、水戸など道外ナンバーの車が次々と到着し、駐車場には20台ほどが並んだ。

 新潟県から妻と訪れた男性(65)は「夏山の寒さが印象に残った。ダウンの中に着るジャケットを1枚増やした」と防寒対策を強化。石川県の女性(60)は「風や雨も、本州と北海道の山では違う。登山するならその山を勉強しなくては。天候が悪ければ引き返そうと思う」と慎重な判断の必要性を強調した。

 報道で見聞きしたツアー内容に対する意見も。遭難した今回のツアーを主催したアミューズトラベル(本社東京)のツアーに申し込んでいたが、中止になったため1人で来たという茨城県の男性(54)は「ツアー会社はツアーの難易度をランク付けしているが、参加者の登山経験などを細かく審査しているわけではない。厳しい参加条件を付けるべきだ」と話した。登山歴40年で、同山3度目という茨城県の男性(58)は「雷に遭遇して岩場でしのいだことがあるが、今回のツアー客は暴風雨の中を進んだというからかなり体力を消耗したと思う。日程に余裕がない場合、無理して歩かなくてはならず、状況判断が鈍くなってしまう」とツアー登山の危険性を指摘。

 登山者は口々に「山で黙とうしたい」「山頂で手を合わせたい」と語り、遭難者の冥福を祈った。登山歴15年の釧路市の男性(60)は「21日に旭岳で会った本州の人は、トムラウシ山の景色と花、温泉のすばらしさに感動していた」と話し、「山は自己管理。事故が起きたから敬遠してしまっては山に申し訳ない。山は悪くないんだから」と言い残して山に入った。

関係機関も安全登山の取り組み
 道警はこれまでに業務上過失致死容疑でアミューズトラベルの本社など2カ所を家宅捜索し、関係書類を押収。業務上過失致死容疑での立件を視野に、生存しているガイド2人や松下政市社長らから詳しく事情を聴き、惨事が起きた原因を調べる方針。

 新得町は22日、避難小屋の新設を道に口頭で要請。新得署は同日、同登山道入り口で「山岳遭難防止に向けたお願い」と題したビラを配った。十勝支庁は同日午後、同署と町役場、登山宿泊客が多いトムラウシ温泉東大雪荘の3カ所に、安全登山に向けて注意を喚起するチラシを配布するなど、関係機関は事故を教訓に、一層安全な登山に向けた取り組みを始めている。
(植木康則、藤原剣)

6~12時 12~18時
3日の十勝の天気
最高気温
25℃
最低気温
21℃
天気予報はかちモバ!十勝19市町村6時間毎更新中!

十勝毎日新聞に掲載された全19市町村の話題や
お知らせなどを、地域の皆様や十勝を離れて暮らす方々にふるさと情報としてお伝えします。

無料メール配信中     登録数6000 件突破

今、なぜ「かちまい」…
ご購読のお申し込み