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十勝毎日新聞 | KACHIMAI |
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民族文化振興に大きな一歩 アイヌ新法施行から1年、新法成立に奔走した北海道ウタリ協会理事長
笹村 二朗氏(64) |
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アイヌ民族という固有の民族を法的に初めて認め、国などに同文化振興策の実施を義務づけた、アイヌ文化振興法(新法)が施行され、7月で丸1年が経過。課題はあるものの、同民族にとっては旧土人保護法から実に約100年ぶりの新法誕生で、大きな一歩を踏み出したといえる。新法成立に奔走した北海道ウタリ協会理事長で、同帯広支部長でもある笹村二朗氏に1年を振り返ってもらった。
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交流センターは集いの場に | |||
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法施行から1年がたちましたね。 正式には「アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発に関する法津」と言います。そして同時に、振興策を実施する受け皿として、財団法人アイヌ文化振興研究推進機構(札幌)が設立されました。昨年は年度途中で国の予算も少額(約3億円)でしたが、昨年9月に東京八重洲に開設した交流センターは本州に住むアイヌの集いの場となっているし、今年4月からはアイヌ語ラジオ講座を開設。これは文化を広く紹介する上で意味深い。今年度は昨年の倍額に当たる約5億5,000万円の予算がつき、事業内容も充実するでしょう。 |
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| 成立までに実に13年も | ||||
| − | 新法成立までは長かったですね。 実に13年かかりました。政府は一貫して「日本は単一民族国家」との見解を変えなかった。これは政府案に妥協せず、自立基金設立など経済的支援の実現要求ばかり訴えてきたわれわれ協会側にも責任はある。 しかし、88年、旭川を除く道内全市町村が議会決議し、新法の早期実現を国に要望したり、与党でプロジェクト委員会をつくり内容を論議するなど、各方面の人たちに支えられ成立に結びつきました。
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| 法の内容充実求めていく | ||||
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−課題も多いといわれる新法を、どう評価していますか。 採択ぎりぎりまでもめた「先住権」が、新法で明記されなかった。これは過去にあった差別や、現在もある一般社会とアイヌ民族との生活格差を国民が事実として受け止め、同民族が自覚と誇りを持って生きていくために必要なことで、責任問題などを蒸し返すことでは決してない。2004年までに国連が先住民族の権利宣言を採択となれば、再び論議されることになるでしょう。
また、設立を急いだばかりに、教育基金などウタリ福祉対策が不十分だった。特に教育の充実は「経済的自立」を図っていく点でも重要。現状では、適用が道内の帰住者に限定されることから、内容の拡充を求めていく。新法に点数をつけるとすれば80点。不足部分は国全体で話し合って徐々に完全なものにしていきたいです。(1998年8月2日紙面より) |
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取材を終えて |
プロフィル |
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伝説の古戦場、チョマトー(帯広市西15北1)埋め立て問題をきっかけに、23年間協会とかかわってきた笹村氏のアイヌ民族問題に関する持論は「何でも国がやれというのはおかしい。時限的に、ある程度の経済補償は必要だが、基本はアイヌ民族自身で自立していくべき」。このバランス感覚が、日高、胆振など多数派を抑え、少数派の十勝出身の理事長誕生につながったのでは。同民族問題はようやく一歩前進したばかり。今後も議論すべき点は多くあるが、錆(さ)びた硬い“扉”をこじ開けた点は大きい。私も“和人”の一人として、今後の動きを見詰めていきたい。(文・佐藤いづみ、写真・川崎想子)
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1934年、帯広市生まれ。和人の父とアイヌ民族の母を親に持つ。帯広一中卒。61年に建設業「笹村組」を開業、72年に法人化し社長に。現在は会長。北海道ウタリ協会は96年に理事長就任。そのほか、帯広市議(1期目)も務める。美代子夫人(56)との間に二男一女。昨年は年間の3分の2は札幌や東京を飛び回る日が続き、趣味の旅行は「3年前に家族で行ったグアム旅行が最後」と苦笑いする。 |
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