十勝毎日新聞
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ドライブイン クマゲラ

写真
「ここから見える自然の風景が好きなんです」と話す青山さん一家


道ゆく人の“止まり木”に
 足寄の街中から約35キロ。茂足寄に入った辺りから左右に広がる丘陵地帯の緑が徐々に深くなり、阿寒に続く樹林帯に近づいているのを感じる。

 緩やかなカーブの先に真っ赤な屋根のログハウスが見える。足寄で最も東に位置する喫茶店「ドライブイン クマゲラ」だ。店内には古い薪(まき)ストーブと木彫りのいす。屋根の朱色と外壁の古い木材はクマゲラを連想させる。道ゆく人の“止まり木”にも見える。

 今の店ができたのは4年前。当時自衛隊に勤めていた青山彰三さんが、当時よく通っていたのがこの喫茶店だった。店主の都合で閉店することになり、「一にも二にもこの場所をなくしたくなかった」と、店を譲り受けた。今は店の2階で妻の礼子さんと長女とともに暮らす。

 国道に面した窓際の席からは、夏の気まぐれな雲の合間から雌阿寒岳の頂上が望める。「ここから見える自然の風景が好きなんです」−。薪小屋づくりなど大工仕事に忙しい青山さんに代わって店を切り盛りする長女の亜香里さんがほほ笑む。

 観光シーズンと農家の繁忙期が重なる夏から秋にかけて、国道は牧草ロールを積んだトレーラーや本州からやってきたオートバイ、マウンテンバイクで旅する学生などさまざまな人で込み合う。しかし「店に観光バスが寄っていくことはない」(青山さん)。せわしなく景勝地を巡るツアーとは無縁の店。なじみの客が不意に訪れては、窓からの眺めに癒やされて帰っていく。

 クマゲラを離れ、早くも秋の色に染まり始めた森の街道を10キロほど進むと、足寄峠に差しかかる。国道は「日本一広い町」を越え、阿寒に入る。(金澤航)
(足寄編おわり)(02.8.31)


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