樹齢360年、高さ26メートル存在感漂う“山の神”
国道を釧路に向かい、浦幌市街地を過ぎた峠にある上厚内トンネルを抜け少し行くと、右側に上部が朽ちているが、堂々と立つ巨木がある。
この巨木は、樹齢三百六十年(推定)。古さでは町内で一、二位を競う。幹周は約六メートル、上部は朽ちて折れているものの樹高は約二十六メートル(推定)もあり、人が両手を広げているような枝ぶりでどっしりと構え、国道を行く車を見下ろしている。
牧草地の中に立つ巨木は、昔、御神木として祭られていた。浦幌町吉野から昆布刈石海岸を経由し、厚内を抜け釧路へ向かっていた国道が、巨木の横を通るようになったのは一九六五年(昭和四十年)。
それまでは、ナラやニレなどがうっそうと茂り、炭焼きや木を切り出すなど山仕事の人たちが来る程度の山奥だった。山仕事の人たちは、仕事の安全を祈願するため山中の巨木を御神木として祭っていた。
この巨木でも毎年、十二月十二日は「山の神の日」として、しめ縄を飾り御神木に小さな鳥居を立て掛け、関係者が参拝し無事故を祈願していた。昭和の終わりごろまでは、祭りが行われていた。
今では、祭りは行われていない。巨木は牧草畑の中に立っているが切られることはなく、今でもしっかりと大地に根を下ろし季節が来ると「まだまだ引退はしない」と言うかのように、青々とした葉をびっしりとつけ、存在をアピールしている。
(豊頃・浦幌編おわり・平田幸嗣)(00.12.28)
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