十勝毎日新聞
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吉野の六地蔵

写真
静かに人々を見守る六地蔵


地域の発展と安全見守り62年
国道から吉野神社へと向かう道の角に、六体の地藏が静かに立っている。62年前に吉野地区の住民数人が地域の発展、安全などを願いながら立てた地蔵さんだ。国道わきに立ち、道行く車を見つめていることから「事故が起きないよう見守ってくれている」と言う人もいる。

お地蔵さんは、1938年(昭和13年)から毎年、一体ずつ立てられた。地蔵を立てた一人で、町内に住む山下キヨイさん(90)によると、全国を回り布教しているという僧侶(そうりょ)が吉野に訪れ、山下さんら吉野の人たちに、仏をたたえる歌「御詠歌」を教えてくれた。
山下さんらは仕事が終わった後に浦幌町内や豊頃の家庭を回り御詠歌を唱え、その家の家内安全や幸せを祈り浄財を集め、地蔵を立てる費用に充てた。帯広の石材店で作ってもらい汽車で吉野駅まで運び、ときには山下さんが背負い駅から運んだこともあったという。
山下さんは「お地蔵さんを立てたころの吉野は今よりももっとにぎやかで活気があった」と懐かしむ。6月23日には決まって参拝し地蔵を守ってきたが、地蔵を立てた人たちで生存しているのは山下さんだけになってしまった。山下さんは老人ホームに入所し、なかなかお地蔵さんのところに行けなくなってしまったが「吉野の人たちがこれからも守ってくれる」と話す。六地蔵はそれぞれ顔や形が違い、人の身代わりとなって危難や病気から救い守ってくれるという。これからもお地蔵さんは吉野の人たちや国道を走る人たちを静かに見守り、立ち続ける。
(豊頃・平田幸嗣)(00.12.26)


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