絶賛された眺め、今も変らず
「狩勝峠で東を見れば雲か海かや只茫々(ぼうぼう)」。峠頂上(標高644メートル)の歌碑「十勝小唄」に刻まれている一節だ。まさに峠頂上からは十勝平野が眼下に果てしなく広がる。
町史によると、大正時代の初期、ロイター通信の記者が「私がみる限りではアメリカのロッキー山脈を越えるオグランデ鉄道沿線、ロシアのウラル山脈越えのそれぞれの1カ所がこの地と比較できるだけで、狩勝は、車窓からの世界3大展望のひとつというべきであろう」と絶賛したと記している。
1927年(昭和2年)、大阪毎日新聞社・東京日日新聞社主催による「日本新八景」平原の部で、狩勝峠が入選したことにより、その絶景は一躍全国に広まることになった。
73年の時を経た今でもその絶景に違いはない。ただ頂上周辺はトンネルができ、駐車場、トイレ、展望台が整備され、1日約400台におよぶ車が同峠を往来しているさまは時代の流れを物語る。
上川と十勝を結ぶ観光、流通の要所・狩勝峠。その昔から旅人の旅情をなぐさめる十勝野のシンボルだった。「只茫々」の景色は今も人を魅了してやまない。
(新得支局=道下恵次)(00.5.2)
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