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自然破壊避ける登山を |
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日高山脈に、十勝側の沢から入ることにした。日高(新冠町)側の登山道から幌尻岳(標高二〇五二・四メートル)に登るルートは、七月の大雨でふもとの道が崩れたというので、やめた。 日高側の登山道は、近年の「日本百名山」「中高年」の登山ブームのため、自然破壊が激しいという。その実態を見たい気もしたが、多くの人によって踏み荒らされた登山道を、取材する私自身も歩くことによって“破壊”に加担することは、避けたかった。 沢伝いに日高の稜(りょう)線までよじ登ろう。疲れる、危険も伴う方法だが、自然への負荷は、いくらか少なくて済むだろう。
登山道の浸食防止のため木道の整備も進むが、その木道工事のために、周囲の高山植物群がさらに広範に壊された例もあるという。 登山者は「自然を愛する人々」だと信じたいが、現実には「自然破壊の先兵」ともなりうるのである。このジレンマをどうするか。
戸蔦別川林道(途中何カ所もがけ崩れで途切れている)から徒歩で、沢に入る。ごろごろした石の上を、フェルト底の沢靴でひたひたと歩く。石の下は急流。
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最後の山岳秘境と言われる日高山脈にも、「日本百名山」の異常なブームが押し寄せている。自然破壊を防ぐには、どうすればよいのか…
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全身、ずぶぬれ。疲労と脱力感。しかし「オレは(まあ正しい方法で)日高を登っている。登らさせてもらっている」という満足感がある。沢は増水すれば、石・岩がごろごろと移動する。その道なき場所を伝って登るのであり、「登山道の破壊」には、あまり加担していない。
楽をして、急いで、安易なルートで登るから、自然を壊すのだ。「自然をなるべく壊したくない」と志す者は、体力をつけ、装備を整え、技量を磨き、自然の知識を身につけ、ルートを選び、時間をかけ、苦心・苦労して、「これでいいのか」と考えながら登ることだ。
そんなことを、まず日高山脈に教えてもらった。 (日高山脈取材班=横田光俊)
北大大学院地球環境科学研究科の調査グループが十六日から十九日、日高山脈の最高峰・幌尻岳の頂上付近などに温度計を設置した。十勝毎日新聞社は創刊八十周年記念事業でこれを支援、同行取材した。
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