アウトドアって何だろう[5]
ドイツ・アイルランド視察記

観光めぐる行政〜農業と一体化、施設も必要
アイルランドは人口360万人で、約100万人が首都ダブリンとその近郊に集中している。ロスコモン県はわずか5万3,000人。農家の大半が兼業で、農業以外の収入源が重要な意味を持つ地域だ。同県はそれを観光に求めている。

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羊の群れ。アイルランドの代表的な風景だ

エディー・シーヒー県知事、マイケル・スキャリー副議長は観光開発の指針として(1)宿泊施設の充実(2)呼び物となる施設の整備−などを掲げる。行政の観光策はいずこも同じ。「農業と観光が一緒になった形が今後伸びるはず」と踏む一方、レジャー施設込みの大型ホテルの必要性も説く。

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ホーストレッキングに挑戦する団員。馬を引く少女が頼もしい−
観光イコール施設という固定観念が、この田園地帯をどう変えるのか。政策現場を担う県観光庁のトニー・ドーソン氏は「素朴で、歓迎する気持ちを持っている人々。それが観光資源」と言うのだが…。

さて、派遣団のアウトドア体験第2弾は“ホーストレッキング”だ。馬の引き役なしで乗れるのは、山田英和団長(山田建設工業社長)と山岸千夏さん(然別湖ネイチャーセンター)だけという、なんとも心もとない派遣団員の体が、ずらりと並んだ馬の前で硬直する。

宿泊先から10キロ離れた乗馬クラブ。牧草地の細い道や簡易舗装の一般道など約4キロのコースを1時間かけて歩く。料金は引き馬付きで25ポンド(約5,000円)。山田、山岸両氏は20ポンド(約4,000円)だ。

馬を引くのは、同クラブで乗馬訓練を受けている近くの高校生ら。乗馬経験者には、トレッキングの途中にパブでサンドイッチを食べるなど、1時間程度の休憩を含めた計5時間のコース(40ポンド、約8,000円)もあるという。

乗馬初挑戦の記者も、コース終盤には風景を楽しむ余裕が出てきたが、それも引き馬ならでは。山田団長は「引き馬で何キロも歩けるところは、日本にはないだろうな」とバッサリ。馬が頭を振ったり、足を滑らせたりするたびに、手綱を握りしめているようでは、独り立ちは到底無理、無謀と分かった。(社会部=鈴木斉)


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