アウトドアって何だろう[2]
ドイツ・アイルランド視察記

人気高いラフティング〜個人の責任能力が前提
ベルヒテスガーデン郊外の「アウトドアクラブ」を訪ねる。同クラブは、激流の川をゴムボート(ラフト)で下るラフティングやパラグライダー、マウンテンバイクなど、幅広い体験メニューを提供している有限会社だ。本社をベルヒテスガーデン市街地に置き、ここザールラッハ川沿いに現地事務所を設けている。

photo

豪快なラフティングは人気が高い
最も人気の高いラフティングの年間客数は2,000人に達する。経営者のトミー・グラースルさん(35)は「ラフティングで1番頻繁に起き、1番危険なのは、乗っている人が振り落とされることだ」と前置きした上で、乗り込むまでの講習法などを説明した。

同事務所には数々の防水着や救命胴衣、ブーツなどがそろっている。同クラブのスタッフは、これらを装着した参加者に、まず川の難所などを図を使って詳細に解説する。ボートに乗り込む直前には(1)水に落ちたときにどうするか(2)ボートが岩場で動けなくなった場合は−などの最終指導を行う。さらに全員を泳がせ、流れの速さを体感させる。

スタッフは参加者全員の能力を判断しプログラムを考える。「最も体力のない人でも成功体験できることが最優先」という。

photo

難所を示した図を使いながら、ラフティングについて説明するトミー・グラースルさん。右側にあるのがラフト
同クラブでは、これまで事故は起きていない。仮に起きた場合、どうなるのか。「原因がだれの過失かを明確にする。会社側に過失があったときは、会社の責任保険で200万ドイツマルク(約1億5,000万円)まで拠出される。個人過失の場合、その人が責任保険で対応することになるだろう」とグラースルさんは淡々と語った。個人の責任能力は当然の前提というわけだ。

アウトドアには危険が付きまとうことがある。それを理解し、リスクを越えた楽しさを求められるか−。視察団は残念ながら、日程の都合で、ラフティング挑戦の機会を逸した。「いきなり乗るのは怖いな」と団員の矢野整さん(はげ天専務)。“個の責任”にいまひとつ自信のない記者も、正直言ってホッとした。(社会部=鈴木斉)


3456INDEX