勝毎ジャーナル
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ガイドセンター・ガイド

小澤克彦さん(27)


雄大な自然、課題も紹介  観光の人気メニューに

「ほら、あそこ」−。午前五時半、ひがし大雪自然ガイドセンターの小澤克彦さん(27)が指をさす方向に約四十人の視線が集まる。朝もやの中、道路沿いでエゾシカが芝を食べている。「こんなに近くで見られるなんて」。参加者の眠気もすっかり吹っ飛んだよう。糠平の自然を観察する「ネイチャーウオッチング」の一コマ。エゾシカ、キツネ、運がよければクマにも出合える“自然体験”が受け、糠平観光の人気メニューになっている。

ひがし大雪自然ガイドセンターは、糠平の観光活性化の核として、町と町観光協会の協力で三年前に開設された。釣りやカヌー、登山など糠平の自然を生かした体験を提供している。観光客入り込みは停滞しているが、同センターの利用者数は右肩上がり。温泉街の期待と注目を集めている。

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キツツキの巣穴から、道端の雑草まで、小澤さんのガイドはすべての自然が対象だ
(写真・金野和彦)

小澤さんは東京出身。東京で働いたが、「自然の中で仕事がしたい」と学生時代を過ごした十勝に戻り、ひがし大雪自然博物館で早朝開館のアルバイトを始めた。センター開設の話が進んでいたのはちょうどそんなとき。「これは飛びつくしかない」。戸惑うことなくガイドの仕事を始めた。

糠平に住み始めて三年。小澤さんにとって糠平の魅力は「すべてが自然につながっているところ」。その思いはガイドの中にも生かされている。

人気のネイチャーウオッチングだが、ただ「雄大な自然を見た」では終わらせない。「楽しい話の中にも必ず落としどころを作って、東大雪の自然が抱える問題を考えてもらう」。なぜエゾシカが道路沿いにこんなにいるのか。その影響は。そのためには車にはねられたエゾシカの姿も隠すことはしない。「それがお客さんの参加度と満足度を高くする」。小澤さんの“ガイドの鉄則”だ。

ガイドセンターの成功は観光客だけでなく、地元住民にも糠平の自然の価値を再認識させた。一方で小澤さんは「全体的に管内外へのアピールはまだまだ足りないと思う。ガイドセンターをもっと利用してもらえれば」と温泉街全体での取り組みを訴える。

糠平で小澤さんが目指すのは「ここでの自然体験をきっかけに、自然とのつながりを再認識してもらうこと」。そのために糠平の自然を生かしたさまざまな企画を考えている。

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大雪山国立公園内にある糠平。観光温泉街として観光客の入り込み停滞に悩みながらも、地域の人たちが生き残る道を模索し続けている。糠平の「明日(あす)」へ向けての取り組みを五回にわたって紹介する。 (地方部=金澤航)

<メモ> ひがし大雪自然ガイドセンターの昨年度の年間利用者は個人、団体合わせて千六百五十三人。(前年比六四%増)個人参加のメニューではワカサギ釣り(百五十八人)、自然観察会(百七人)の人気が高い。団体の利用は夏場の中学校の体験学習など。また、これとは別にホテル客を対象に行われている「早朝ネイチャーウオッチング」は昨年一年間で百六十六回行われ、延べ四千五百六十八人が参加した(同二五%増)。

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