勝毎ジャーナル
KACHIMAI
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晩婚化

女性の“社会進出”も背景

仕事後母の手料理が一番…ぬるま湯だけど
生活水準落とせない給料自由に束縛イヤ

 「あー、やっぱりこれが一番。だから、離れられないのよ」。午後9時半。帯広市内の保険会社に勤務する20代後半の典子さん=仮名=は、温かいご飯を横目に、みそ汁をすすりながら息を大きく吐いた。
 セクションのまとめ役となった2年前から急に仕事が忙しくなった。残業は当たり前、帰宅は夜の9時、10時。今は少なくなったものの、休日出勤もしばしば。身も心もボロボロになって帰ってきた典子さんを迎えてくれるのは、母親の温かい手料理だ。

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「いつかは結婚したい…」。幸せな家庭を見ながらそう思いを抱きつつ、親と同居する“ぬるま湯”にもつかっていたい気がする(本文とは関係ありません、写真・川崎想子)

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 大学卒業後、十勝へUターン。両親と同居した。家には生活費として毎月5万円を入れている。食事や洗濯など身の回りのことはほとんど母親任せ。
 現在、1歳年上の彼と遠距離恋愛中だが、頻繁には会えないため、時間は比較的自由になり気ままに過ごせる。
 自分が世間でいう“結婚適齢期”はとうに過ぎていることは分かっている。だが、「今、結婚したいとはそれほど思わない。まだこの“ぬるま湯”につかっていたい」。偽らざる本音だ。

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 全国的に晩婚化が進んでいる。1997年の平均初婚年齢は、男性が28.1歳、女性が26.4歳。27年前の70年は男性が26.3歳、女性が23.7歳だった(厚生省の国勢調査から)。
 こうした状況を反映し、仕事をしていても、親と同居する独身者を「パラサイトシングル」と呼び、流行語にもなった。パラサイトは英語で「寄生する」。識者などは経済的に裕福になっているにもかかわらず、親も子も依存し合っているなどと批判的だ。
 「家賃に光熱費、食費…必要最低限の出費だけで給料の半分は消える。友達との付き合いに、携帯電話の使用料もバカにならない」。管内の金融会社に務める20代の雄太さん=仮名=はこう力説する。
 今はある町村に勤務しているが、大学卒業以来、ずっと両親と3人暮らし。結婚するまでは居座り続ける考えだ。ぜいたくしているとは思っていない。ただ、今の生活レベルはもう落とせないのだ。

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 この言葉を裏付けるように、道中小企業家同友会の調査では、適齢期とされる25〜30歳の女性事務職の給与は16万円から19万円。男性の同年代でも同17万円から22万円。税金や厚生年金などもろもろを差し引くと、女性なら手取り十数万円という人も少なくない。
 ただ、「昔も少ない給料でやりくりしてきた。携帯や車などはぜいたく品。甘えていると言われても仕方がないのでは」(同同友会東北海道センターの石戸谷和政事務局長)という声も無視できない。
 総理府が97年に行った男女共同参画に関する世論調査でも、晩婚化の理由として、男女とも「独身生活の方が自由である」が半数以上と高い(複数回答)。「結婚=束縛」という考えが大勢を占めている。

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 「日本全体が裕福になったことで、パラサイトシングルが増えたのでは」とみるのは、男女共同参画社会を目指す市民団体「たねっと」の代表、阿部千鶴子さん(60)。「女性の社会進出で、ある程度収入が得られるようになったことも、晩婚化に大きく影響しているだろう。家事や子育てなど、どうしても結婚して負担が掛かるのは女性側だから」とも言う。
 晩婚化は、こうした社会を取り巻く状況の変化とも大きく関係している。(おわり)(佐藤いづみ)(00.6.30)


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