| 動きだした民間病院[1] | |
|
「完成後は名実ともに十勝のセンター病院となる。ハード面の準備はヤマ場を越え、今は運営方法の検討に力を入れている。医師、医療スタッフの研修はもちろんだが、地域の連携も大事。より一層開かれた病院を目指したい」。救命救急センターの開設を目指す帯広厚生病院の佐藤勇事務部長はこう語気を強めた。
新たに建設する救命センター棟は地下1階地上7階の延べ1万9,550平方メートルの規模。これは現在のどの棟より大きい。事業費は86億円超が見込まれ、「病院の歴史に残る節目になる」と関係者はとらえる。 救命センターには当然ながら高度な医療技術が求められる。そのため、同病院は脳神経外科、心臓血管外科の2科を新設。内科、循環器科系の重症患者に対応するための心臓集中治療施設(CCU)や小児科系のNICUなどの高度医療システムを整備する。 さらに、スタッフも大幅に拡充。現時点では医師15人、看護婦115人を含む155人を新たに確保する計画。「24時間体制で最低3人以上の医師が常直する必要があるので、センターだけでなく、病院全体での検討が必要。厚生省のガイドラインを検討した上で、地域の意見も調整しながら細部を詰めたい」(佐藤事務部長)。 十勝に初めて登場する機関だけに、地域レベルでの医療連携も大きな課題。高度な3次救急を扱うセンターができたことで、従来までの1次、2次救急の分野にも大きな影響がでてくる。「1〜3次の区別をどう整理するのか、病院ごとの機能、役割分担はどうするのか−など協議すべきことは多い」と佐藤事務部長はいう。 救命センター棟は今年10月に着工、1999年4月に運用開始する予定。その後、1年かけて旧棟内部を改造、2000年4月までにすべての工事が終わる計画。“リニューアル”に向けて、診療待ち時間を短縮するためのシステム導入など病院全体の再構築も同時進行させる。「ハードの計画より、どう運営するかが重要。これからが本当に大変な時」−開設までに越えるべきハードルはまだ多く残されている。(社会部=高久佳也)
十勝第2次医療圏の病院新設・増床割り当てが決まって間もなく1年。7病院合わせて542ものベッドが増える今回の“変革”。そこに含まれる帯広市立病院計画も大詰めを迎えた。民間の一部は今年中に建設工事に着手するところもある。民間病院の動きにスポットを当て、地域医療の変化を探る。
|