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十勝毎日新聞社
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Obihiro Tokachi Hokkaido Japan
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● 3 ●  パドックで輝く馬の姿
信頼関係を築き上げた騎手と馬がパドックで進む。写真は蛍の光賞レース(3月11日)に出場前の栗毛のシャトルクイーン号と鈴木勝堤騎手
[2007.04.19]
 厩舎での優しさに感動
 27日に開幕する新生ばんえい競馬では、帯広競馬場(市内西13南9)の建物のメーンスタンド前、北西側のパドックで、レース前の馬の様子を存分に見ることができる。ばん馬は顔が優しい。馬のしぐさ、厩務(きゅうむ)員や騎手とのやりとりは見ていて飽きない。

ばんえい競馬で最も有名な青毛のリッキー号。頭にお守りを着け、引退レース前にパドックで諏訪俊治厩務員と見詰め合う(3月24日の第12レース前)
 ■馬の個性に注目
 農家で飼う馬を持ち寄り、明治時代にお祭りで馬の力自慢で競った「祭典ばん馬」が、ばんえい競馬の始まり。そのため現在でも、レースに出るばん馬は、たてがみをきれいに結い、頭に飾りをつけて出場する。神社のお守りを着けて出る馬もいてほほ笑ましい。

 馬は色も体つきも、性格もみな違う。全身の色が黒色に近い「青毛(あおげ)」の馬は、帯広市の特別嘱託職員でPR活動の先頭に立つリッキー号(服部義幸調教師)が有名。体全体が鹿のような茶褐色で、たてがみ・尾・脚の下部が黒色の「鹿毛(かげ)」。たてがみ・尾から全体が黄褐色の「栗毛(くりげ)」。体全体が灰色で年齢とともに白くなる「芦毛(あしげ)」。どの馬も手入れが行き届き、美しい。

 ばん馬の性格は全体におとなしいが、レースに向かって気合が入り闘志十分・興奮気味な馬、落ち着き払って意気揚々とスタート地点に向かう馬などさまざまだ。

 ■「動物虐待」意見を否定
 レースに臨む騎手は、調教師・厩務員とともに各馬の調教に取り組み、その成果を馬とともにレースにぶつける。勝つための戦いだ。レース中に騎手が手綱で馬のしりをたたく行為だけを取り上げて「動物虐待だ」とする意見もあるが「馬に痛い思いをさせたら、言うことを聞くわけがない」「いじめられていると思った馬は、おびえてレースには出られない」と調教師・騎手たちは口をそろえる。

 騎手はレース中には厳しく気合を入れ、奮闘して戻ってきた馬を厩務員や調教師が優しくいたわる。その信頼関係があるからこそ、馬も頑張る。厩務員は1人3頭ほどの馬を担当し、一年中、生活をともにする。馬と濃密なコミュニケーションを交わしている。「馬は言葉が出せないから、今、どんな気持ちなのか分かってやらないと。分かってやると、言うことを聞いてくれる」(ベテラン厩務員)。

 厩舎で馬たちは、とても平和な生活をしていることが、競馬場のパドックでもうかがい知ることができる。これを見ると馬と人間が好きになる。
 (ばんえい競馬取材班)

 ★熱烈ファンの声
音更のミニ牧場「馬遊館」経営、綜合美容代表
とかち馬文化を支える会理事
葛岡 美英さん

ばん馬は喜んで荷物を引く
 ミニチュアホース5頭とポニー種5頭を28年ほど前から飼い、管内のイベントなどに貸し出しています。老人ホームにも行きますが、馬と触れ合ったお年寄りは精神面が安定するそうです。自閉症児を対象としたホースセラピーに協力したこともあります。

 ばん馬はおっとりしていて、気性が荒いサラブレッドとは性格が違います。馬はひとみが愛らしく、学習能力が高い。指導したことを覚えてくれると愛着が沸きます。

 ばん馬に重たい荷物を引かせるのはかわいそうという声があるが、それは違うと思います。馬は障害の前でしっぽをピンと立てる。力いっぱい荷物を引くのを喜ぶ性質なんですね。帯広競馬場に行ったことがない方はぜひばん馬のあの大きさを間近で見てほしい。きっとびっくりしますよ。
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