勝毎ジャーナル
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帯広畜産大学

先端技術に関係者の期待
 帯広畜産大学増殖学研究室の福井豊教授を中心とした研究チームは、日本で初めてヒツジの凍結精液を輸入し、人工授精で高い分べん率を残している。福井教授らは「ガラス化法」といわれる急速凍結によるヒツジの受精卵移植にも国内で初めて成功、ヒツジの安定供給に道を開いている。

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ヒツジの凍結精液による人工授精の研究成果を発表した学会誌を手にする福井教授

凍結精液輸入で高まる受胎率
 福井教授は1993年から、国内産ヒツジの凍結精液を用いた人工授精で実績を重ねてきた。凍結精液の輸入では、ヒツジに関する国内衛生条件が定まっていなかったが、福井教授の訴えで農林水産省が基準を整備。凍結精液はニュージーランドから0・25ミリリットル入りを約200本輸入した。
 非繁殖期の一昨年6−7月、釧路管内標茶町、白糠町と士別市の牧場で計122頭の雌ヒツジの子宮腔内に、輸入精液を直接注入した結果、国内産の凍結精液による人工授精の平均受胎率54・0%を5ポイント上回る59・0%(72頭)が分べんに成功した。出生した91頭のうち、生後半年を過ぎても75頭が生存し、成長も良好だった。
 福井教授は「雌ヒツジの状態が良かったことが好調な分べん率につながったが、繁殖期ならより高い率に達したかも。凍結精液の安全性、低コストが注目され、将来は凍結受精卵の輸入も考えられる」と話している。

急速凍結の「ガラス化法」
 一方、「ガラス化法」は従来の方法と比べ、簡素な機材で短時間に受精卵を凍結できるのが特徴。福井教授は受精卵を低濃度の溶液に段階的に浸すことで、高濃度・高浸透圧溶液による障害と細胞内凍結を回避した。また、緩慢凍結法では融解後、発育遅延や胚(はい)死滅がみられたが、急速凍結ではほとんど問題なかったという。
 日本ではヒツジの飼育頭数が年々減少。道内では2000年に8000頭を割り、94年の半数以下に落ち込んだ。ヒツジの繁殖手段としては、公立研究機関などが輸入した種羊を飼育農家が借り受ける場合が多いが、頭数に限りがある上、病気が伝染する恐れもある。凍結精液の人工授精、ガラス化法ではヒツジを安定供給できるため、これらの普及に向けた関係者の期待が高まっている。(岩城由彦)(おわり)(03.1.5)

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