消防士 當山稚恵子さん (22)

◇女性患者に安心感与えたい◇

男性に比べ力が足りず筋力トレーニング

 「高校卒業を前に進路を考えていたとき、ハイテク救急車を見て興味を持ったんです。救急救命士を目指したきっかけは、このハイテク救急車の見学会です」。十勝では帯広市消防本部に2人しかいない女性消防士の1人、當山さんは、特別な意識を抱いていないかのように業務に打ち込んでいる。
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救急隊員の1人として救急車に乗務する當山さん

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 消防士の世界は長く続く「男の職場」。同本部は元来、受験資格に性別は明記していない。1970年には「身長165センチ以上」の条件も廃止した。2001年4月に同本部で當山さんら女性2人を採用したのが十勝では初めて。今年4月現在、十勝の消防署員約680人のうち女性はこの2人だけ。「消防士は力仕事という側面が強く、女性は就職しづらいかもしれない」と同本部総務課。
 札幌市で生まれ、千歳市で育った。設計士や看護師になることも考えたが、北海道ハイテクノロジー専門学校(恵庭市)の見学会をきっかけに救急救命士への道を選んだ。現在は3人1組で救急業務に当たっている。
 「やはり力が足りない。これは無理だなと思ったら、自分から機材搬送に回って、担架は男性に頼むようにしています。患者さんのことを考えればその方がいいと思う」と話し、空いた時間には筋力トレーニングに励んでいるという。

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 道内消防機関では、84年に女性を採用した札幌市に続き、渡島管内大野町、網走管内遠軽町、稚内市などでも採用。救急救命士を中心に門戸は年々広がりつつある。しかし、全国の女性消防職員の割合は98年の1・4%から01年の1・6%に増えた程度。「男の職場」に変わりはない。
 男社会に入り込んだ女性が、周囲に与えた影響は少なくない。「言動に注意するようになった。まあ、これまでがひどかったからな」。年配の署員ほど、そんな思いが強い。帯広市消防庁舎1階女子トイレに扉が付いたのも影響の一つ。
 「女性特有の疾病への対応を通じ、女性患者に安心してもらえることもあるはず。男社会だからといって“女性”を捨てる必要はないと思う」。来年度には一定の研修期間を修了し、正規の「救急救命士」となる見込み。
(吉良敦)(02.6.12)


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