共育キーワード

全国PTA協議会相談役 三上欣也氏の視点 【3】


★「知恵」を引き出す教育が必要★

保護者、先生はプロ意識を


<新学習指導要領について>

保護者の理解を深めること大切
 本当に子供たちの生きる力がはぐくまれるか。問われるのは、学力よりも学習力につながる課題解決能力が身に着けられるか。学力、学力と叫んでも、人間が生きる上でのスキル(技術)につながっていないのが現状だ。
 授業時間が3割削減されるといわれるが、最低でもこのレベルを維持するのであって「それ以上を望む子供にはちゃんと学校が教えて下さい」という意味。新学習指導要領は大変な改革だが、保護者がどの程度理解しているかも重要で、何度も繰り返し投げ掛け、理解を深めていくことが大切。

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 体験的な学習を通してバーチャル(仮想)ではない感情豊かなものをはぐくむという狙いがあり、これで子供は少しずつ変わっていくと思う。日本の義務教育は世界的に評価されているが、飛び級や研究所で専門的な分野に打ち込める土壌がない。個性の尊重を一律に行っていること自体が問題。日本は横並びの安心意識が強すぎて、孤独に耐える“個”が育っていない。このままだと日本の大企業のトップはカルロス・ゴーン(日産自動車社長兼最高経営責任者)のような外国人で占められるだろう。

<子、親、学校が変わっていかねばならないこと>

友達意識が強過ぎる先生
 日Pは「たのしい子育て全国キャンペーン」を展開しているが、どんな親が一番魅力的だと思うかとの問い掛けに子供の90%が「目的を持って人生を歩んでいる」と答える。よく「子供に見せられる背中を持っているか」というが、子供は口に出さなくても感じ取る。
 学校以外で子供が引き起こした事件に教育委員会が出てきて「学校ではこんなことをする子ではありませんでした」と話す場面を見聞きするが、本来保護者は子育てのプロ。「保護者PL法」(※PL法=製造物責任法)が必要と考えている。プロとしての責任を明確にしなければなりません。
 今の先生には、子供に対する友達意識が強過ぎる。学校の先生には「教えることに関しては任せてくれ」というプロ意識が求められる。子供たちと仲良くなりさえすれば、尊敬、信頼関係が生まれるとは思えない。教える側、教わる側の位置関係がしっかりと確立されていることが大切だ。当然、子供の視線で見て、考えることは大切だが、この関係ができた上での話だ。

<あなたが考えるこれからの教育キーワード>

優れた部分をきちっと評価
 今後のキーワードと考えるのは「教養」。オールマイティーではなく、専門的な力が培われ、「知恵」を引き出す教育が必要。学校の先生にはそれぞれの子供が持つ、優れた部分、伸びる芽をきちっと評価してほしい。当然、そうすることで各分野だけをみると、子供に格差が生じるが、結果の平等は不平等でしかない。親がどれだけ、その差を理解できるかが大切だ。  (聞き手・井上猛)(01.12.20)

三上欣也(みかみ・きんや)
 1952年生まれ。神奈川県横須賀市で三上工務店を経営。横須賀市立諏訪小学校PTA会長などを歴任後、同市PTA協議会、神奈川県PTA協議会の会長を務める。99年に社団法人・日本PTA全国協議会副会長、2000年に同教育問題委員長。大学2年生の長男、高3の長女、高1の二女を持つ父親。49歳。



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