学力低下 

★「新指導要領でレベル下降」★

<発言者>
町村中学校長
市内学習塾経営者
町村の父親
市内の母親

 −新指導要領は学力低下につながるとの指摘もありますが…。

先生の指導力低下も危ぐ

 中学校長 結論からいくとつながる。子供の勉強に対する意欲は減退し、規律の乱れから学校が生徒指導の方にばかり手をやいている現状。さらに先生の指導力の低下も現場にいても危ぐされる状況ですから。

 塾経営者 新指導要領では中学校で二次方程式の解の公式を教えなくなる。これからの情報社会でわざわざ世界共通の教科のレベルを下げて、世界に対抗できるのだろうか。算数、理科の授業時間は日本がこれまで突出して多かったのかと言えば、そうではない。十年前のデータしかないけど、授業時間は欧米に比べ実際には少ない。暗算で処理する外国人の隣で電卓を引っ張り出す日本人という職場が想像できます。

 中学校長 インド、シンガポールなどの子供は二ケタ同士のかけ算が小学校一年生でも分かる。われわれも子供のころは九九なんか立たされて、たたかれながら教え込まれた。最後にできて、褒められたとき算数が好きになった。今そういう教育はない。

 母親 具体的な資料がないだけに「学力低下」と言われると不安になる。「ゆとり」自体はいいことなのだけれど、本当に削減されてもいい内容のものなのかそれ自体分からない。

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生徒指導に手をやく実態と、教師の指導力不足が学力低下を助長するのか
基礎基本重視でも認識違う

 中学校長 実は昭和五十二年(一九七七年)の学習指導要領で二割削減されていて、今回を合わせると五割近くのカットになる。だれでも分かるよう基礎基本の重視がうたわれているけれど、例えば同じ英語の先生でも、ある先生は単語を覚える、別の先生は表現力と、何が基礎基本なのか認識も違う。

 塾経営者 大都市は私立中高一貫教育が進み、高校の内容を中学で教えることが可能。でも公立校しかない地方都市はどんどん差がつく。これは制度上の問題で、子供たちにとってはどうしようもないこと。

 −実際、学力の現状はどうですか。

 中学校長 教える立場から言うといかに心に火を付けるかがポイント。学校が分からない授業をやっているのも問題だが、塾で教科書を先取りして勉強している。知的好奇心の強い子供は一度教わったことには興味を示さず、学校の授業では退屈する。だから授業で火が付かない場面がある。

1年2学期制が学力低下に関係

 塾経営者 サービス業ですから、分からない子にはフォローするし、理解している子には次のことを教えていく。本当は学校の先生だってサービス業のはずですけど…。それと学力低下に関係していると思うのは、十勝の大半の中学校が採用している一年二学期制だと思いますよ。ほかは三学期制でちゃんと年に三回、通信簿をもらっている。

 中学校長 三回出せとは義務化はされていない。夏休みの試験時期に中体連の大会が重なり、生徒の負担をやわらげる意味ですよ。

 塾経営者 それは建前でしょう。子供の励みとするためには、成長の足跡は細かく分かった方がいい。せめて父母にどうしますかという聞く姿勢があってもいいですよね。

(01.9.26) |今日の6面につづく



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