今どきの先生 

★「人間の幅が指導力の差に」★

<発言者>
中学校PTA会長
元中学校長
中学3年生女子
中学2年生男子

 −昔の先生と今の先生を比べると、どんな変化を感じますか。

 中学校PTA会長 今になって振り返ると、よくあんなに子供に付き合ってくれたというのが実感。部活動も日曜は朝から夜まで、そのうえ早朝練習にも顔を出し、授業もきちんとやってくれました。

昔のような付き合いは難しく

 元中学校長 今の部活動は専門化し、勝つことが優先。親も好成績を出してくれる先生が良い先生と考えている。昔のように子供と川に泳ぎに行く、キャンプをするといった多様な付き合いは難しくなっているようです。

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職員室は子供にとって“近くて遠い”存在なのか−
 中学校PTA会長 先生が変わったのは、マスコミの論調に親が過剰に反応した結果。実際に無気力な先生もいるが、頑張ろうとしても少し失敗するとマスコミにたたかれるのでは仕方がないでしょう。昔は、学校で先生に殴られて家に帰ると、「先生に怒られるとは何事か」と再び親に殴られましたよね。

 −最近、先生の体罰を受けたり、見聞きしたりすることはありますか。

授業中の体罰ほとんどなし

 中三女子 授業中はほとんどありません。部活動ではたまに見かけますが、真剣に練習しないなどやむを得ない理由がちゃんとあります。

 中二男子 本当に悪いことをしたときは、たまに。ただ、今の担任の先生は本当に心で接してくれる先生です。

 中学校PTA会長 そういう先生は、心のフォローをきちんとできる。しかし「私ですら手を上げたことがないのに」と怒る親がいるのも確か。先生に怒られても罪悪感すら見せず、開き直る子供がいるのが許せません。

 −今の先生は人との付き合いが少ない、社会経験が乏しいなどの指摘もあります。先生が抱えている問題点は。

 元中学校長 平成の初めまで教員をやっていましたが、毎週のように一緒に学習会もやるなど、意欲のある若い先生がたくさんいた。今も多いとは思うが、経験不足は否めません。よく子供が見えないのは、自分がまだ子供に近いから。勉強が不得意な子供に、どうしたら楽しい学級生活を送れるかを見つけてあげられるかが大切です。

 −教員採用試験の在り方については。

教師の選び方多様化が必要

 元中学校長 ペーパーテストで良い成績を残せる人しか教師になれない現状で、さまざまな素質を持った子供たちに適切な指導ができない先生もいます。教師の選び方を多様化させるべきで、知識や理解力の豊かな人、人間的に子供を引っ張れる人の両面からそれぞれ教師を確保する方法があっていい。採用試験を受ける人はそれなりの力があるはず。採用試験の成績の良い人、中間の人、だめな人をそれぞれ選ぶことです。

 中学校PTA会長 一年くらい民間企業で働いてもらってから採用するのも手でしょう。

 元中学校長 校内成績の順位を生徒に教える先生がいますが、そうしたら勉強できない子供の心は確実に離れます。五点しか取れない生徒を十点取れるようにするため、一生懸命頑張れる先生が必要。勉強できない子の気持ちが分かる先生は、指導の方法も分かるはず。生徒の気持ちや考え方に対応できる人間の幅が、指導力の差になると考えます。

(01.9.25)|今日の5面につづく



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