今どきの先生 

★「人間の幅が指導力の差に」★

<発言者>
中学校PTA会長
元中学校長
中学3年生女子
中学2年生男子

 −学校教育に打ち込む上で、今の先生は忙しすぎるとの指摘もありますが。

忙しすぎて上滑り心配

 中二男子 僕たちから見ても忙しそう。

 元中学校長 ほとんどの先生が教科、学級指導、部活動、学校行事などに一生懸命。忙しさのあまり一生懸命さが上滑りし、本当に子供を育てることに結び付いているか心配。一生懸命な姿が伝わらない先生は、いろいろなことを子供たちと体験してほしい。学級新聞や合唱、スポーツなど何でもいい。そうすればキレたり非行に走る子供も減るでしょう。

 −学校で好きな先生は。

 中三女子 保健の先生は女の先生で相談にも乗ってくれ、とても話がしやすい。職員室と違い、保健室には行きやすい。

 中二男子 小・中学校を通し、今の担任が一番好き。生徒の間違いを自覚させる接し方から、一生懸命さが伝わります。もし先生になるなら、あんな先生になりたいです。

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子供、親が考える理想の教師像は、一生懸命さが伝わる姿勢。
教師が多忙な学校教育現場を見直す必要性が指摘されている
不適格教員も何人か・・・

 −周囲に“不適格”教員はいますか。

 中学校PTA会長 校長、教頭のどちらかが補助しないと授業が成り立たない教師が管内にも何人かいると聞いています。

 元中学校長 学級崩壊を起こした担任が不適格教員とすれば、当然います。

 中学校PTA会長 ある校長が親を前に「若い教師を育てる上で、長い目で見てあげて」と言ったと耳にしました。子供を預けている親の立場からすれば「ふざけるな」と思います。

 元中学校長 私も「十年間はしっかり勉強しろ」と先輩教師に言われました。最初はだれもが一人前ではなく、生徒や親が教師を育てることも必要。互いに言いたいことを言い合って学ぶ人間関係ができれば、先生も育ちます。

 中三女子 授業が分かりにくくて嫌になる先生がいます。本人には直接言えないので、友達と一緒に担任に伝えました。

 中学校PTA会長 私も自分の子供から「学校の授業が分かりづらい」との悩みを聞いたが、やはり先生には言いにくいです。

 元中学校長 授業が分かりにくい先生がいるというのは、管理職の耳にも入ります。指導計画を書かせたり、授業を見に行ったり、研究会に行かせたりするが、人間なので急には成長しない。温かく見守ってあげてほしいというのが本音かな。

放課後の付き合いない

 中二男子 先生には教えてもらっているのだから、感謝しなくてはいけないと思うんです。分からないことがあれば、先生に聞けば済みます。僕自身も深く掘り下げて教えてくれない先生に当たったことがあるが、そのときはまず自分なりに考えてみました。その上でどうしても分からない部分について、先生に聞きに行きました。

 元中学校長 分からないことを先生に率直に聞きに行くことが、まさに先生を育てるということにつながります。生徒は先生に積極的にかかわり、先生が考えるきっかけを与えてあげてほしいです。

 中学校PTA会長 ただ、先生に気軽に聞きに行けない子供がいるのも事実です。

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子供、親が考える理想の教師像は、一生懸命さが伝わる姿勢。
教師が多忙な学校教育現場を見直す必要性が指摘されている
 −教科指導に関する日常の先生同士のコミュニケーションはありますか。

 元中学校長 校内の授業研究はこの学校でもやっています。ただ、自分を変えられない先生は苦労します。学校は組織としての取り組みはありますが、先生個人の成長は「生徒に分かってもらえない」と気付く感性にかかっています。例えば、親も子供も「いじめられた」と言っているのに、いつまでも「けんか」と言う先生がいます。今の子は多様な経験をしていないため感性が弱いが、先生もその延長線上にいます。

一生懸命な姿伝えて

 −皆さんが考える理想の先生像は。

 中二男子 物事の善悪をきちんと教える先生。そういう意味では、中途半端なことをしないのが今の担任です。

 中三女子 友達感覚でなく、先生としての立場で生徒にきちんと対応できる人。クラスに態度が良くない生徒に、注意できない先生がいます。学級委員が注意すれば、友達に嫌みを言われて関係が悪くなる。生徒となあなあでなく、一線を引ける先生が理想です。

 中学校PTA会長 子供、部活動、PTA活動など何ごとにも熱心な先生。嫌々やる先生、口ばかりの先生、一生懸命やってもできない先生などいろいろな人を見てきました。それでも、一生懸命やってくれる先生は子供たちの授業に対する不満などを必ず察知し、違うやり方を試みてくれるはずです。

 元中学校長 いろいろな子の心の痛みが分かる先生が必要で、一生懸命な姿が子供や親に伝わる接し方が大切。それには、先生も生徒も忙しさから解放されるのが前提です。例えば、放課後の午後四時までは部活動も始めず、子供の自由時間とする。教科を教えるために学校行事が削られている面もあるので、各学級で丸一日を自由に使う試みもいいのでは。

(01.9.25) |今日の1面にもどる

<メモ>
 不適格教員は、協調性に乏しい、新しい教科に適応できない、学校に出勤しない、子供と接することができないといった教員を指し、全国で問題化。今年六月に成立した教育改革関連三法では、不適格教員を配置転換できることが盛り込まれた。各地の教育委員会では、こうした教師に対する研修などを実施しているところもある。

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