今どきの子供 

★「非常にアンバランス」★

<発言者>
医療関係者
中学養護教諭
高校養護教諭
カウンセラー

 「とかち教育新世紀第四部」では、本音で教育問題について語ってもらう「テーブル」を用意、六つのテーマごとにその関係者に席についてもらった。教育の現状認識を共有し、より身近に「そこにある課題」を考えてもらおうというのが目的。このため匿名でフリーに語ってもらった。

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 −子供たちが今、一番問題として抱えていることはなんでしょうか。

 カウンセラー 保育所の巡回相談をしていますが、三年ほど前から子供たちの様子が変わってきました。本来は一カ所で五、六人の障害児の相談に当たるのが仕事。でも、ここ数年一カ所で三十人から四十人の子供を見てくれと言われるようになりました。ADHD(注意欠陥多動性障害)的な子供が多く、保育所になじめない。おとなしい子を突き飛ばし、優しそうな大人にも暴力を振るう。年齢相応の社会性がついていないように感じます。小学校にいったらどうなるのでしょうか。考えると恐ろしくなります。

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「会話の成り立たない子供たち」「かっとうも悩みもなく不登校に」。
子供の変化に戸惑いも
コミュニケーションが欠落

 中学養護教諭 コミュニケーションがとれない子供が多く、友達同士でも表面的な付き合い。「高校は今知っている友達がいないところに行きたい」という子が結構多く、びっくりです。話をしていて会話が成り立たないこともあります。

心のかっとう人に話せない

 高校養護教諭 成績が一つの価値基準になり、「勉強できない自分は受け入れられない」という子供が多く見受けられます。成績が良く、友達も多いが「夜中に眠れない」と相談に来る子も。明確に自己否定している生徒もいますが、何となく現実逃避している子もいる。しかし、心のかっとうを明確に人に話せない。何かきっかけを持たないと相談できないという感じです。

 医療関係者 コミュニケーション手段が変わってきた。昭和五十年代後半の不登校は異議申し立てがきちんとでき、こちらも共感できる部分があったが、今の不登校はかっとうもなく、悩みもそんなにないケースが多い。子供たちに責任を押しつけないという優しい接近が最近の課題。直面させ、考えさせることをしなければならない。傷つくことに慣れていなく、立ち直り手段も分からない。非常にアンバランスです。

 カウンセラー 高校生は入学直後の宿泊研修のころから不登校になり、ゴールデンウイークが明ければ学校に来なくなる。いじめでも勉強で悩んでいるわけでもなく、行けなくなる自己意識もない。そういう時代。だから、答えを見つけるのに一、二年かかります。リストカットも同じ。死ぬつもりはないのに、少しずつ切っていく。「死にたい、死にたい」というけど、本当に死のうとする子はいません。

 −携帯の普及でメル友などが話題に上がりますが、子供たちにどんな影響を与えているのでしょう。

不登校の女子「彼がいるから」

 中学養護教諭 学校では禁止していますが、個人では結構持っている。パソコンはほとんどの家庭にあり、チャットなどを楽しんでいます。「しゃべっててうざくなったから、切ってやった」という話はよく聞く。ここ数年急速に普及し、正しく判断できる力がないまま、使っているところが怖いところです。

 高校養護教諭 ほかの学校の生徒や休んでいる生徒とのやりとりがほとんど。出会い系サイトを使っている子は少ないと思う。携帯の料金を払うためにアルバイトし、授業中に疲れて寝る。バイトがどんなに大変でも、彼女とのメールには代えられないよう。また、不登校になる女子は男の人がいる場合が多く、理由を聞いても「彼がいるからいいの」で済ましてしまいます。

(01.9.24) |今日の5面につづく



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