今どきの子供 

★「非常にアンバランス」★

<発言者>
医療関係者
中学養護教諭
高校養護教諭
カウンセラー

親機能が低下している

 −不登校は「甘ったれている」という意見もありますが。

 医療関係者 大人に対して反発するのではなく、「あなたはあなた、私は私」という希薄な感じです。「甘ったれている」というコミュニケーション手段は、今や子供たちに通用しません。

 カウンセラー 親も大同小異。不登校児の親に「子供は何時に起きたか」「朝何を食べたか」を聞くと答えられない。「学校より、まず家のことをきちっとしなさい」と指導します。

 医療関係者 親が全面的に子供を支えられなくなってきました。

 カウンセラー 父親のサポートもありません。

 医療関係者 親機能が低下している。保育士さんが家からおにぎりを持ってきて、朝、子供たちに食べさせているのが現状。これでは子供を育てているのか、親を育てているのか分からない。「自分たちが向き合っていこう」という部分が抜け、すぐに病院やカウンセリングに駆け込む。親が自助努力しないから、子供もどこに向かっていいか分からない状況です。

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親の役割、機能がぜい弱になり、進む方向を見失う子供も
「向き合う」覚悟が必要

 −学校の保健室には実際どのような感じで相談に来ますか。

 中学養護教諭 悩みが言える子はまだいい方。何が悩みなのか言えない子もいる。自分の弱さが分かるとそれを認めたくなくて、一波乱起きるんです。だから、不登校は中学校までの早い時期に出た方が幸せ。いずれにしても「向き合うぞ」という覚悟が必要です。

 高校養護教諭 保健室は「人生にとって大事なものは何だろうか」って話し合うところ。「死にたい」といいながら入ってくる生徒もいるし、夜中に「死にたい」と携帯にメールが入ったこともありました。その時は「みんな君のことを愛しているんだよ」と伝えました。私たちが自信を持って支えることが大事です。

 カウンセラー 学校であれば養護教諭の複数配置や親をサポートする専門家を置いてほしいですね。

 中学養護教諭 「本音で話せる友達がいない」という相談も多く寄せられます。「みんなそう思っているんだよ」と伝えると安心して帰ります。男女の付き合い方も私たちのころと随分変わりました。

幼さから安心感求める

 カウンセラー 小学校でも第二次性徴期に入ると、セックスの付き合いになってきています。すぐ家出をし、男友達の家に行く。たばこ、酒、セックスの先には薬がある。しかし、その一方で人格の形成が以前より遅れています。その中でいったい自分をどう守るのかが問題です。

 医療関係者 子供のセックス感は大人とは違う。快楽を求めるのではなく、一緒にいる安心感を求めているんです。男の人に抱っこしてもらいたいという愛着。小さいころからスキンシップが不足し、情緒的な幼さがある。しかし、相手の男性はそうは思わないから問題が起きてくる。

 高校養護教諭 最近援助交際は減りました。その代わり、メールで同年代と出会ったり、不特定多数と付き合うことが増えています。安心感を求め、お金がなくても男の人の胸があればいいという感じ。その胸が結局はセックスにつながっていきます。体に心の成長がついていっていません。

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ネットワーク、サポートシステムが子供たちを救う
 カウンセラー 赤ちゃんのころから問題は始まっています。トイレ訓練も離乳も言葉も母親は急ぎ、人より早くさせます。子供は発達するのではなく、発達させられている。  医療関係者 受験戦争で価値基準は「オール5」にあった世代が今親になってきています。だから子育ても何点という感覚に陥りやすい。

 カウンセラー 発達は一人ひとり違うのに、子育てをマニュアルに合わせようとするから悲劇が起きてきます。

 高校養護教諭 まじめな子供たちはそれを受け入れてしまう。

ネットワークづくりを

 −大人は子供たちにどう向き合っていけばいいのでしょうか。

 中学養護教諭 子供をあきらめないこと。大人も大人として協力し合っていかねばなりません。大事にされない大人は子供を大事にすることもできない。学校の中でできることには限界があります。

 高校養護教諭 急激な社会の変化に大人もほんろうされています。大人は大人として生きる喜びを模索し、「生きていることが幸せだよ」と子供に伝えてあげなければいけない。人間同士のいい関係を伝えていくことが大切です。

 カウンセラー 小学校の養護教諭は半端じゃなく大変。不登校、ひきこもり、学級崩壊、性の問題など、できるところからやらねばならない。親が悪い、学校が悪いという次元ではなく、これは人と社会の問題。子供が不登校にでもなれば、親は今までの子育てすべてが否定される。親は“落ちこぼしてきた”ことを自覚するだけでいいと思います。

 医療関係者 目の前の子供に向き合うことから始めたい。指の間からこぼれてしまった子供たちをどこにバトンタッチするか。それを救えるネットワークづくりが必要です。「完ぺきじゃなくてもいいよ。でたらめでも大丈夫」というところを持っていたいと思います。そして、子供たちや学校、地域を巻き込んだ長期的なサポートシステムを構築していきたい。地域にはこんなものがあるんだと伝え、いい方向に向けてあげたい。

(01.9.24)|今日の1面にもどる

<メモ>
 管内でも、突然衝動的な行動を起こし、落ち着きのない注意欠陥多動性障害(ADHD)、聞く、話す、読むなどの特定能力の習得と使用に著しい困難を示す学習障害(LD)、軽度の発達障害を持つ子供たちが増えている。その一方で、女子中・高生などは対人かっとうなどから手首を切る「リストカット」「摂食障害」などに陥り、心に傷を抱える子供たちが問題になっている。

=ご意見・感想は=
 ファクス(0155・25・2700)、Eメール(edu@kachimai.co.jp)の「とかち教育新世紀係」で受け付けています。



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